リオ空港=キャパ越えのドゥモン便制限=閑古鳥鳴くガレオンを大増便

マルシオ・フランサ港湾航空相(ブラジル社会党・PSB)は10日、リオ市にあるサントス・ドゥモン空港からガレオン(正式名称:トン・ジョビン)空港への航空便の移行を保証する条例に署名した。同件は今年6月に連邦政府とリオ市が共同で方針を発表後、準備が進められていた。実際の施行は2024年1月2日からとなる。同条例の署名式にはルーラ大統領(労働者党・PT)も出席した。10日付CNNブラジルなど(1)(2)(3)が報じている。
この措置の目的は、キャパシティを超えたサントス・ドゥモン空港の発着便数を制限し、郊外にあり、利用しにくいため、利用者数が大幅に減少中のガレオン空港の需要を拡大することだ。
ルーラ大統領は署名式で、「ガレオン空港は利用客が少なく、閑古鳥が鳴いている。国際空港として建設されたからには、外国からの入り口としての役割を果たすべきだ」と述べた。現在、ガレオン空港はキャパシティの20%で稼働しているという。
この条例は、サントス・ドゥモン空港発着便の運航距離を半径400キロメートル以内に限定しており、サンパウロ、ベロ・オリゾンテ、ヴィトリアとの間の路線のみの運航となる。ただし、グアルーリョス空港やコンフィンス空港などの国際空港には発着しない。各航空会社は、10月以降、利用者減を目指し、運航便を30〜50%削減する。ブラジリア発着便も、しばらくはガレオンに限定される予定だ。
リオ市の調査によると、ガレオン空港の旅客流動は19~22年に58%減少し、22年の旅客流動のランキングでは国内で10位に落ち込んでいた。今回の移行措置は今後10年間でリオ州経済に506億レアル以上、また68万人以上の雇用をもたらす可能性があるとのことだ。
フランサ港湾航空相は、同措置はリオ市での乗り継ぎを増やし、地元経済を潤す効果があるとし、「我々が望むのは、ガレオンが国際空港として再び多くの人々に利用されることだ。ブラジル最大の空港であり、利用価値は大いにある」と述べた。