サンパウロ州知事「未来は電気自動車ではない」=世界初、水素供給ステーション

サンパウロ総合大学(USP)の温室効果ガスイノベーション研究センター(RCGI)は10日、エタノールから生成される再生可能水素の実験的な供給ステーションの建設を発表した。11日付のエスタード紙(1)(2)が報じている。
この世界初の取り組みは、シェル・ブラジルやRaizen、トヨタなどの民間企業と連携して行われる。発表にはタルシジオ・サンパウロ州知事も出席した。
同ステーションでは4・5kg/時の水素生産能力を持ち、これはバス3台と軽車両1台分の燃料に相当する。2024年の後半には正式に運用される予定だ。このイニシアチブは再生可能エネルギーの促進、ブラジル産業の炭素排出の削減、気候変動への対応を目指しており、同プロジェクトに5千万レアルを投資したシェル・ブラジルや他の関係者もその重要性を強調している。
タルシジオ州知事はブラジルが持続可能な技術開発でリーダーとしての地位を築いており、再生可能エネルギー生成のポテンシャルを強調した。その上で、自動車産業の将来は電気自動車ではなく、水素をベースとしたハイブリッドの自動車モデルであることを主張した。
「そのための物流設備は整っている。各ガソリンスタンドに水素生成装置を設置することが可能だ。水素を圧縮して輸送する大きな問題は、エタノールで解決する」と述べた。
一方で州知事は、公的機関が民間企業と協力して解決すべき第一の問題は、このモデルをいかにしてブラジル全土に普及させるかだと指摘した。