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風力発電急増で送電能力不足?=大規模停電の原因巡り諸説

2023年8月18日

セアラ州の送電線(16日付ポデール360記事の一部)
セアラ州の送電線(16日付ポデール360記事の一部)

 15日にブラジル国内25の州と連邦直轄区で発生した大規模停電の原因は未解明だが、セアラ州の風力発電設備急増に送電能力が間に合わなかったとの説が持ち上がっていると15日付CNNブラジルなど(1)(2)(3)が報じている。
 16日付G1サイト記事によれば、セアラ州は再生エネルギー生産に貢献が大きく、特に風力発電設備が急増している。ブラジル風力エネルギー協会が記録している風力発電のピークはこの地域で最も風が強く吹く季節と一致しており、同州アラリペ市ではここ数日、時速60kmの突風を記録していた。同州では現在、16市に風力発電所がある。
 全国接続システム(SIN)を管理する全国電直システム運営機構によると、15日8時30分の北東部の送電量は1万1848メガワット(MW)だが、1分後は1万7648MWに急増。送電設備破損の危険回避のため、北東部システム内及び同システムと南東部/中西部、南部のシステムとの間の送電は自動的に遮断された。これにより、8時40分の北東部の送電量は6542MWまで低下。北東部の送電が正常化したのは14時42分だった。
 一部の専門家は、風力発電と太陽光発電による電力生産量激増に送電網が対応できていないことを問題視している。
 他方、アレッシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相はセアラ州での過負荷だけではこれほどの停電は起きなかったとし、第二の原因はアマゾン地域のシングー先住民保護区周辺で起きた可能性があるとも語った。
 同相は連邦警察と連邦情報局(Abin)が停電の原因を調査すると発言。エレトロブラス社民営化は電力システムに「非常に悪影響」を与えたと述べたが、今回の問題と民営化を結びつけることは「軽率」であるとも述べた。
 この大規模停電は15日午前8時31分に起きた急激な電力供給低下に伴うもので、北部と北東部から始まって、南部にも至った。停電は最大で6時間以上続いた。原因解明は進行中だ。
 同鉱山動力相は15、16両日の記者会見で、第一の原因はセアラ州の送電線での過負荷としたが、その時点で詳しい原因については言及していない。一部地域の問題がドミノ効果で広がらないよう南部との電力供給システム切断という安全上の措置が取られたが、電力供給の不安定さは一瞬にして全土に広がったようだ。


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