新型コロナ=ブラジルでもエリス株患者確認=予防接種やマスク着用推奨

【既報関連】保健省が18日、ブラジルでもEG.5(通称エリス)と呼ばれる変異株による新型コロナ感染症の患者が確認されたと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)が報じた。

エリス株は世界保健機関(WHO)が一部地域で感染者が増えていると警告を発した地域(米国、中国、日本)で確認された株で、ブラジル初の感染確認は17日夜。サンパウロ州在住で旅行歴のない71歳の女性が7月30日に発熱や咳、倦怠感、頭痛などを訴え始め、8月8日に受けた検査で感染が確認された。彼女はオミクロン株にも対応できるように改良した2価のワクチンの追加接種も受けており、エリス株による感染からも回復しているという。
エリス株はオミクロン株のXBB.1.9.2から派生した株で、感染やワクチン接種で得た免疫もすり抜けられる。WHOは、注意が必要な「関心あり」に指定している。
保健省は、旅行歴のない女性の新変異株感染を重く見、新型コロナ感染症を予防するための追加接種を改めて推奨している。特に注意が必要なのは高齢者や妊婦、臓器移植者や癌患者、基礎疾患のある人のように、免疫力が低く、感染すると重症化するリスクが高い人達で、部屋の換気、追加接種を含むワクチン接種のスケジュールの完了、人混みや閉鎖空間でのマスク着用、手指の洗浄や消毒などが推奨されている。
同省はWHOや汎米保健機関とも連絡を取り、新変異株などの情報を更新している。20日付CNN(4)によると、WHOが17日に「観察中」に指定し、4カ国で確認済みのBA2.86株(通称ピロラ)は、ブラジルでは未確認だ。
また、ブラジルでは8月5日までの4週間とその前の4週間で見た新規感染者や死者は共に減少していたが、18日付アジェンシア・ブラジルなど(5)(6)によると、リオ連邦大学は16日に新型コロナへの感染確認用の検査での陽性率が4%から13%に上昇と発表。マスク着用などの防疫対策強化も勧めた。5月17日~6月16日の陽性率は110件中4件で4%だったが、6月17~7月16日は72件中5件で7%、7月17日~8月16日は86件中11件で13%に増えている。
また、リオ州保健局によると、7月最終週の検査の陽性率は2%だったが、8月6~12日の陽性率は20%に急増。同局や市役所は緊急対応用の病床や救急診療所の病床の要請数は増えていないとし、12歳以上の人全員が補強接種を受けることがマスク着用以上に大切と説いている。