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前大統領に逮捕の可能性?=所属政党は準備との報道も=次男「べネズエラになった」

2023年8月23日

ボルソナロ前大統領(Lula Marques/Agencia Brasil)
ボルソナロ前大統領(Lula Marques/Agencia Brasil)

 サウジアラビアから贈呈された高級時計ロレックスの転売疑惑で、ボルソナロ前大統領逮捕の可能性がこれまで以上にささやかれている。メディアでは逮捕の時期が予想され始め、所属の自由党(PL)もその時に備えて準備を始めているという。21日付グローボ紙(1)などが報じている。
 ボルソナロ氏の逮捕が強くささやかれ始めたのは、17日に、5月の逮捕以来拘束が続いている前大統領の右腕の陸軍中佐マウロ・シジ容疑者が連警に対して報奨付証言を行うとの報道が行われたことによるものだ。
 この日はさらに、1月8日の三権中枢施設襲撃事件での両院合同議会調査委員会(CPMI)でハッカーのバルテル・デルガッチ容疑者から、「前大統領や選挙スタッフから選挙システムの侵入やアレッシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官の盗聴を依頼された」との証言も行われた。
 以来、ボルソナロ氏の逮捕を求める声も強まっている。22日付フォーリャ紙(2)は、市民運動セントラル(CMP)が労組などのグループに呼びかけ、9月7日の独立記念日にボルソナロ氏の逮捕を呼びかける抗議集会を行うことを示唆しているとも報じている。
 連邦警察はロレックス転売に関して、「ボルソナロ氏の命令によるもの」との推論を強めていると言われている。だが、21日付グローボ紙によるとすぐの逮捕はないという。
 その理由は二つ存在する。一つは、一時拘束での逮捕を行う場合には決定的な証拠を固める必要があること。連警が現時点で持っている証拠だと、まだ十分ではないという。
 もう一つは、現在の連邦検察庁の状況だ。アウグスト・アラス長官はこれまで、ボルソナロ氏に対する訴訟をお蔵入りさせ続けた印象を持たれている。また、リンドーラ・アラウージョ副長官はボルソナロ派として知られているため、現体制のままだと、逮捕請求を出しても検察庁が反対する意見書を出す可能性は高い。
 そのことから、連警はロレックスの捜査でボルソナロ氏に対する疑惑を高めるところまで高める一方、少なくとも、検察庁長官の交代が行われる9月末までは待つ意向と見られている。
 ボルソナロ前大統領や弁護側はロレックスの件に関し、「シジ容疑者の単独犯行」を主張しており、ポデール360(3)によると、大統領次男のカルロス氏も19日、テレグラムで父の逮捕の噂で持ちきりになっている状況に不快感を表明。「この国はベネズエラになっている」とし、ボルソナロ氏は迫害されていると主張している。
 他方、22日付グローボ紙(4)は、PLがボルソナロ氏逮捕を仮定して、来年の全国市長選にむけた想定を始めていると報じている。
 同党は、ボルソナロ氏が選挙高裁から8年間の出馬停止を命じられた後も、保守派への影響力の強さは変わらないと見て、小〜中規模の市のキャンペーンに同氏を参加させ、市長数の増大を狙っているが、党内では既に、その役割をミシェレ夫人に任せようとの動きが出ているという。


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