プリゴジン搭乗機はブラジル製=エンブラエル高級ジェット

23日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者であるエフゲニー・プリゴジン氏ら10人を乗せた高級ジェット機が墜落し、全員が死亡する事故がロシアで起きた。このジェット機はブラジル企業であるエンブラエル社が製造したものだと、23日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
プリゴジン氏(62)は、ロシアによるウクライナ侵攻を含む複数の戦争に関与した傭兵グループ、ワグネルのリーダーだった。一部情報筋は、墜落機がミサイルで撃墜された可能性にも言及している。
ロシアの国営通信社のタス通信によると、墜落した「レガシー600」は最大15人が搭乗可能。現在の平均価格は約1400万ドル(約6790万レアル)だ。
同機は2002年から製造されており、翼長21メートル、全長26メートルの小~中型機だ。最高速度は870キロ/時で、航続可能距離は6290キロ。これは、聖市からカリブ海のバハマ諸島の首都ナッソーまでの距離とほぼ同じだ。同機は2010年に650Eにグレードアップされたが、パンデミックのため、2020年に製造が停止された。
エンブラエル社は事故後、「レガシー600」の墜落事故についての詳細な情報は得ていないとし、ロシアに課された制裁措置に従い、2019年以降、同機へのサポートや取引を停止しているとの声明を発表した。
一方、ブラジルの航空事故調査機関であるCenipaによれば、航空事故の原因解明は発生した国の責任となるため、事故原因の調査はロシアの管轄下で行われる予定だという。
また、ロシアの航空当局である国家間航空委員会は、事故の追跡と調査実施のために技術的なサポートが必要となった時に対応できるよう、事故に関する公式な予備情報をまとめた上で、ブラジル調査機関とエンブラエル社に提供する責任があると報じている。
ワグネルは、当初は経験豊富な戦闘員から成る集団だったが、戦争が長引くにつれ、囚人や外国人などの未訓練者を採用し、急拡大していった。
ワグネルはウクライナにおける最大激戦地であったバフムト市への攻撃を指揮したことで、世に知られることになった。ロシア政府から信任を得て、プーチン大統領の「私兵」とも呼ばれていたが、6月にブリゴジン氏と戦闘員がロシア政府に対する武装反乱を起こしていた。