サンパウロ州=高速道の施設名巡り物議=PUC侵入を命じた保安局長
軍政時代に最も物議を醸した任務の一つを遂行したことで知られる元陸軍大佐の名前をサンパウロ州内陸部の高速道のジャンクション名とする条例を採択したことに関し、タルシジオ・デ・フレイタス知事が最高裁から説明を求められた。28日付G1サイト(1)(2)などが報じている。
これは、6月にサンパウロ州内陸部のパラグアスー・パウリスタで二つの高速道を結ぶマニリオ・ゴビ・ジャンクションをエラズモ・ジアス下議ジャンクションと改める法律を制定したことに伴うものだ。
エラズモ・ジアス氏(1924〜2010年)は、サンパウロ州保安局長だった1977年9月22日に、サンパウロ・キリスト教大学(PUC―SP)で全国学生連合(UNE)の組織再編成に向けた公的行為を行っていた学生たちに対し、軍警による強制取り締まりを命じた人物だ。
「PUC侵入事件」として今日まで知られる事件を指揮した人物の名が公けの施設の名前に使われたことを不服とする労働者党(PT)と社会主義自由党(PSOL)が最高裁に訴えを起こしたことで、カルメン・ルシア判事は28日、タルシジオ知事とアンドレ・ド・プラド・サンパウロ州議会議長に対し、5日以内に説明するように求めた。
これに対し、タルシジオ知事は同日、「議会の決めたことに行政は口出しできない」と返答した。
問題の法令は過去にチリのピノチェト大統領を褒めたことで物議を醸したフレデリコ・ダヴィラ元サンパウロ州議が2020年に提出したもので、タルシジオ知事がポルトガル訪問中だった今年の6月30日に、フェリシオ・ラムス・サンパウロ州副知事や州局長らの承認、署名を経て制定された。