第2四半期に0・9%成長=過去12カ月でGDP3・2%増
地理統計院(IBGE)が1日、第2四半期の国内総生産(GDP)は前期比で0・9%増の2・651兆レアルを記録したと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
第2四半期のGDPは昨年同期比では3・4%増で、直近12カ月間では3・2%増、1~6月(上半期)は3・7%増となった。
第2四半期は8四半期連続の前期比増で、連邦政府も含めた諸機関の事前の予想を上回った。ただし、第1四半期はその直前と比べて1・8%増を記録していたため、成長の度合いは減速している。
なお、第2四半期のGDPは新型コロナのパンデミック前の水準を7・4%上回っており、統計開始以来、最も高い水準にあるという。
第2四半期の成長を牽引したのは工業の0・9%増やサービス業の0・6%増だ。サービス業は数字こそ2番目だが、ブラジルの経済活動では70%の比重を占めるため、GDPの成長を牽引した度合いは最も大きい。
IBGEによると、サービス業の中でも、生命、自動車、不動産、金融リスクなどの保険を中心とする金融サービスの伸びが大きく、法務や会計などの企業向けのサービスも目立ったという。
工業は2四半期連続で成長した。特に目立つのは採掘業の1・8%増で、原油や天然ガス、鉄鉱石といった輸出関連製品の採掘が業界全体を牽引した。なお、鉱工業界もパンデミック前の水準を上回ったが、2013年第3四半期に記録した最高点は超えられなかった。
経済の三つの主要セクターで唯一後退したのは農業で、前記を0・9%下回った。農業は第1四半期のGDPを牽引した主役だったが、これによって比較基準が高まったことで、第2四半期は前期比割れを起こした。
IBGEのレベッカ・パリス氏は、年次指標を見ると農業が最も急速に成長している。前四半期が大幅な成長を遂げたために今期の数値は低くなったが、これは、大豆の生産の60%が第1四半期に集中しているために起きる季節的な現象だと説明している。
なお、需要の観点から見ると、第2四半期の家計消費は0・9%増で、前年同期以来で最大の増加となった。
IBGEによると、雇用市場が継続的に改善していることや、信用の伸び、税制上の優遇措置、自動車価格の値下げ、ボルサ・ファミリアなどの所得移転プログラムの再調整といった連邦政府主導の措置などが奏功したという。一方、金利が依然として高く、耐久財の消費は困難だとし、債務の再交渉プログラムにも関わらず、債務不履行家庭数の減少には時間がかかるとの見解も示した。
政府消費は0・7%増で、4四半期連続でプラスとなった。投資は0・1%増で安定しており、GDPに対する投資率は昨年同期の18・3%を下回る17・2%だった。
貯蓄率は昨年同期の18・4%から16・9%に低下。パンデミック中は裕福な人達も特定のサービスを利用できず、余剰資金を貯蓄していたが、サービスの需要と供給が正常化して貯蓄率が下がったという。
輸出は前期比で2・9%、輸入も同4・5%増加した。
昨年同期との比較したGDPは3・4%増で、農業が17%増を記録。工業は1・5%増、サービス業は2・3%増だった。
上半期のGDPは3・7%増で、大豆とトウモロコシの収量が新記録を更新した農業が17・9%増を記録。工業は1・7%増、サービス業は2・6%増だった。