ミルトン・ナシメント=代表アルバムの訴訟で勝訴=ジャケットに写った男性に対し
ブラジル音楽史上に残る名盤との誉れが高い「クルーベ・ダ・エスキーナ」のジャケットの写真に写っていた2人の男性から肖像権で訴えられていた件で、ミルトン・ナシメントとロー・ボルジェスが1審で勝訴した。5日付フォーリャ紙(1)が報じている。
ミルトン・ナシメントがロー・ボルジェスと連名で1972年に発表したアルバム「クルーベ・ダ・エスキーナ」は「ブラジル音楽のベスト・アルバム」の企画で必ず上位10作に入る名作として語り継がれ、日本をはじめ、国外でも「ブラジル音楽の入門作」の定番として愛され続けている。
このアルバムのジャケットには、当時7〜8歳だった白人と黒人の少年、カカウとトーニョが写っているが、2012年、リオ州ノーヴォ・フリブルゴの農園に住んでいた彼らは、エスタード紙からアルバムの40周年を記念してジャケット写真の再現を行うことを依頼された時、自分たちが有名なアルバムに写っていたことを初めて知った。2人は「自分たちに肖像使用の許諾がなかった」として、ミルトンやロー、レコード会社のEMIに対して50万レアルの損害賠償を起こしていた。
だが、8月24日にノーヴォ・フリブルゴの地裁が出した判決は、この件は既に時効で、肖像権はないという内容だった上、原告の2人に被告側の弁護料の一部を負担することも命じた。
原告側の弁護人は「写真は今も多く出回っているものだ」と反論。控訴の構えでいる。