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モロッコ地震後のカオス=現地滞在中のブラジル人が語る

2023年9月12日

地震で被害を受けた自宅前で泣き崩れるマラケシュの住民(9日付G1サイトの記事の一部)
地震で被害を受けた自宅前で泣き崩れるマラケシュの住民(9日付G1サイトの記事の一部)

 8日夜に北アフリカのモロッコを襲ったマグニチュード6・8の地震の死者は11日現在で2600人を超えた。震源は歴史的都市マラケシュから71キロ離れたアトラス山脈で、余震が続いているが、9日のブラジル外務省の発表によると、ブラジル人の死傷者の情報はないという。現場に居合わせた複数のブラジル人が語った、地震発生時の壮絶な状況を9日のG1サイト(1)が報じている。
 ジャーナリストのジルベルト・フェレイラ氏は8日夜、地震による騒音と振動を感じ、飛行機が墜落したと思ったという。また、9日朝見た町はがれきの山でカオス状態となっており、建物の傍を避けた人々が広場や通りで横になっていたとし、「マラケシュの街は壊滅的な状況だった」と語った。
 一方、地質学者のアンドレ・ボルバ氏は、揺れは45~50秒続いたと証言。「ホテルの部屋で妻と娘と一緒だったが、揺れは徐々に強まり、恐怖だった。愛する人たちを守るだけで必死だった。揺れが止まる気配はなく、次々と物が落ち、照明器具が揺れていた」という。
 地震発生時、サハラ砂漠のホテルにいた観光客のグラッツィ・ジェルヴァゾニ氏は、「壁や照明が大きく揺れ始め、部屋から逃げ出した。最初は何が起きているのか理解できなかった」という。地震後も旅行は中断せず、次の目的地の同国北東部のフェズ市へ向かう意向だと語っている。
 地震発生時はユネスコのイベントと重なり、政府要人を含む多くのブラジル人が同国にいた。大半は宿泊先のホテルに滞在中に地震に遭い、ホテル側からの指示で屋外で一夜を過ごす必要があったという。マリアナ・スタフィン・シュルツ氏もその1人で、すぐに屋外へ避難し、壁が倒れて埃が立ち上がるのを見たとのいう
 セルジッペ州出身で元世界銀行副総裁のオタヴィアーノ・カヌート氏は、マラケシュから約320キロ離れた首都ラバトに滞在していた。揺れは感じたが、宿泊客に避難を促すアラームは鳴らなかったという。「就寝しようとベッドに入る直前で、23時半頃に突然、部屋の壁が揺れ始めた。非常に不快な感覚で、無力感と脆弱さを感じた」と語っている。
 サンパウロ州からの団体旅行者らは地震発生時はバスの中におり、到着後のホテルで現状を知らされた。旅行代理店のアナ・パウラ・カンペオン氏によると、部屋には入れず、屋外プールのそばで一晩を過ごしたが、グループには80歳以上の高齢者もおり、困難な状況だったという。


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