基礎教育への投資不足が露呈=技術・職能訓練も行き届かず

12日に経済協力機構(OECD)が発表した図表で見る教育指標(Education at a Glance)によると、ブラジルは他の加盟国より教育への投資が少なく、技術的・専門的訓練の普及率も低いことが明らかになった。
今年の指標で判明したことの一つは教育への投資の少なさだ。12日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)によると、ブラジルは昨年、生徒1人に4306米ドル(2・15万レアル)を投じたが、OECD加盟国の平均投資額は1万1560米ドル(5・78万レ)。
基礎教育に限ると3583米ドルで、加盟国の平均の1万949米ドルの3分の1以下だ。対象45カ国中ではメキシコと南アフリカに次ぐ下から3番目で、投資額最多のルクセンブルク(2万6370米ドル)の7分の1以下だった。
高等教育におけるブラジルの投資額は裕福な国と大差がないとされるが、ブラジルの公立校生4500万人中、公立大学の学生は約200万人のため、優先順位逆転は教育界からの批判の種ともなっている。
ブラジルでは専門訓練コースの受講者も加盟国の平均以下だ。12日付G1サイトなど(5)(6)(7)(8)(9)(10)によると、ブラジルでは15~24歳の専門コース受講生は11%で、インドの9%やカナダと南アフリカの10%に次ぐ下から4番目だ。OECD加盟国では15~19歳の生徒の37%、20~24歳の学生の65%が専門講座の受講者だ。専門コース受講者は、技術や知識を得、訓練を受けた即戦力とみなされる。
12日付エスタード紙(11)によると、ブラジルの基礎教育の9年間の平均授業時間数は7200時間(1日4時間)で下から5番目。オーストラリアやデンマークの1万1千時間や1万600時間の3分の2だ。ブラジルでも高校は24%が全日制に移行したが、それでも差は大きい。
ブラジルでは、求職しても職がなく、進学したくても金がないなどの理由で、働いても勉強してもいないネン・ネンと呼ばれる青年も24・4%に上る。特に、18~24歳の女子は30%がネン・ネンで、男子の18・8を大幅に上回る。OECE加盟国の女子のネン・ネンは14%だという。
なお、12日付アジェンシア・ブラジル(12)によると、ミナス州ベロ・オリゾンテの市立プロフェッソル・エディソン・ピザニ校とセアラ州カルナウバルのジョアキン・バストス・ゴンサルヴェス全日校(州立)は世界最優秀学校賞の最終候補に残っており、個々の学校での教育効果は教育政策と現場での努力次第であることも示している。