1月8日裁判=最初の3被告に重い実刑=襲撃者たちに厳しい展開=判事同士の激しい口論も

13日から始まった1月8日の三権中枢施設襲撃事件の被告4人に関する最高裁審理で、14日までに3人に対する審理が終わり、2人に17年、1人に14年の実刑判決が下った。審理は判事間で口論が起こるなど、白熱したものとなった。14日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じている。 今回の裁判は1月8日の襲撃事件で起訴された被告に関する最初の審理で、アエシオ・ルシオ・コスタ、チアゴ・マタール、マテウス・リマ・デ・カルヴァーリョ、モアシル・ジョゼ・ドス・サントスの4人の被告が個別審理を受けた。この事件では1156人が起訴されており、特に重篤な罪を犯したとされる200人余りが最高裁で直接の審理を受ける予定だ。
最初の審理では、4人の被告の内、コスタ被告とマテウス被告に17年、チアゴ被告に14年の実刑判決が下った。ドス・サントス被告への審理はこれ以降に行われる。
13日からの審理は緊迫した雰囲気に包まれた。報告官のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事は1人目のコスタ被告に対し、「民主主義への暴力」「クーデター」「武装犯罪」「器物破損」「公共物破損」の五つの罪状を適用した。
これに対し、ボルソナロ前大統領が指名した判事の一人のカシオ・マルケス判事は、五つの罪状の内、「器物破損」と「公共物破損」のみしか認めず、2年6カ月が適当との見解を述べた。
この投票内容は強い波紋を投げ掛け、ネット上で強い反発が上がった。最高裁内でもジウマール・メンデス判事がマルケス判事に、「あなたが座っている席は事件当日、屋外に投げ出されていたもの」との表現で、事件の重要性への認識の甘さを指摘した。
翌14日にはやはり前大統領が指名したアンドレ・メンドンサ判事が「クーデター」という罪状を認めず、フラヴィオ・ジノ法相の責任を問おうとしたとして、モラエス判事が強く反論。モラエス判事はジノ法相の管理責任を問おうとした点について、「5人の司令官が逮捕され、アンデルソン・トレス元法相が米国に逃げ、携帯電話まで捨てていたような状況で陰謀論めいたことを持ち出すのは馬鹿げている」と主張すると、メンドンサ判事が「私は(そのような陰謀論を)言っている訳ではない」と反論した。
法相や大統領安全保障室(GSI)の管理責任は、ボルソナロ派が今回の裁判に持ち込みたいとしている最大ポイントだ。モラエス判事はこれに対し、自身がテメル政権の法相だった立場から強く反対している。
結局、カシオ、メンドンサ両判事を除く判事8人がモラエス判事のあげた五つの罪状全てに賛同。被告が異議申し立てを行うには少なくとも7対4であることが必要なため、弁護側には苦しい展開となっている。
モラエス判事はマタール被告の審理の際も、担当弁護士のエリ・カトヴィンケル氏に対し、「弁護士が最高裁でヘイトスピーチをして、それを後からSNS投稿するつもりなのは情けないし、凡庸だ。来年は地元で市会議員にでもなるつもりか」ときつい皮肉をいう一幕が見られた。