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洋上風力発電=既存の3・6倍に拡大可能=グリーン水素にも貢献期待

2023年9月16日

洋上風力発電(©Nicholas Doherty/unsplash)
洋上風力発電(©Nicholas Doherty/unsplash)

 ブラジルがエネルギー供給構成を転換させる手段の一つとして注目される洋上風力発電について、既存設備の発電容量189ギガワット(GW)の3・6倍にあたる約700GWの潜在能力があると12日付エスタード紙など(1)が報じている。
 このデータは全国工業連合(CNI)が「ブラジルにおける洋上風力発電と低炭素水素の生成の機会と課題」として発表したものの一部で、国内の複数の州における技術開発能力の高さを示しているが、実現のためには投資家への明確なルール作りや法的安全性をもたらす規制の改善が必要であるなど、乗り越えなければならない壁があることも指摘している。
 国際的な洋上風力発電容量は、2030年までに新たに260GWが導入される見込みで、約1兆ドルの投資が計画されている。しかし、ブラジルではまだ初期段階で、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)には8月末日現在で、この種のプロジェクトに関するライセンス申請が78件寄せられている。ブラジルはこの分野でエネルギー大国としての地位を確立する可能性が高く、クリーンで持続可能なエネルギーを供給すると共に、経済を刺激して雇用を創出し、技術と科学の発展を支え、エネルギーの安全保障に貢献できると評価されている。
 洋上風力発電には多分野の企業が注目しており、投資家にとって安全な環境を整え、発電エネルギーを消費する新しい市場を国内外に創出し、競争力のあるエネルギーを提供するためには、規制や制度の整備と共に、設備や技術へのインフラ投資が不可欠だという。
 また、22年1月に制定された洋上風力発電所開発のための施設利用と海域の天然資源の使用の譲渡を規制する政令についても、法的確実性を保証するには不十分で、規制の枠組みが必要であると主張している。
 洋上風力発電に注目している企業の例はペトロブラスだ。14日付エスタード紙など(2)(3)によると、同社は13日に、電気系の資材製造などが専門の多国籍企業のWeg社と提携して洋上風力エネルギー分野に復帰すると発表した。この戦略転換は16年以降採用してきた同社の方針変更を示しており、7メガワット(MW)の風力タービンを共同開発する。
 同社は洋上風力発電の開発促進のため、最低でも23GW分の設備の導入が可能な赤道周辺域も含め、少なくとも10の地域での調査許可をIbamaに申請済みだ。洋上風力発電はグリーン水素事業にも貢献できると期待されており、グローバルパートナーとの国際協力も視野に入れている。


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