site.title

連邦道路警察=重傷だった被弾少女逝く=治安担当者への対応急務

2023年9月19日

16日に亡くなったエロイーザちゃん(©Arquivo pessoal)
16日に亡くなったエロイーザちゃん(©Arquivo pessoal)

 【既報関連】16日朝、7日夜に連邦道路警官に銃撃されて入院中だったエロイーザ・ドス・サントス・シルヴァちゃん(3)が亡くなったと同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
 エロイーザちゃんと両親、8歳の姉、叔母は7日に車で出かけ、帰り道にリオ州フルミネンセ海岸部セロペジカの連邦道を走行中、連邦道路警官3人が乗る警察車両の追跡を受けた。一家は停止命令などを受けなかったが、警察車両が接近してきたため、路肩に車を停めようとしたら発砲されたとエロイーザちゃんの父親は語っている。
 慌てた一家は両手を上げて車を降り、家族で移動中だったことを示そうとしたが、エロイーザちゃんが降りてこなかったために車の中を確認したところ、背中と頭を撃たれて動けなくなっていた。
 エロイーザちゃんはドゥケ・デ・カシアス市の病院に運ばれた後、手術も受けたが、意識不明の重体で、13日に病状が悪化した後、16日午前9時22分に心肺停止が起きた。
 関与した警官3人は所持していた銃の押収後、30日間更迭されたが、警官達は連邦道路警察の内部調査で、発砲したのは銃声を聞いたからと弁明していた。
 11日付アジェンシア・ブラジルなど(3)(4)(5)(6)(7)(8)によると、同件は検察庁も捜査中で、9日には検察官が病院に赴き、病状確認後、初期対応を行った医師達の情報なども集めた。同庁は事件直後に28人の連邦道路警官が病院を訪れ、家族の車の中までいじっていたとし、15日に警官3人の逮捕を要請。脅迫の可能性も捜査する。だが、連邦道路警察はエロイーザちゃんへの追悼声明発表時も逮捕要請については知らないと答えている。
 16日付G1サイトなど(9)(10)によると、ルーラ大統領は16日、「国民の安全を守るべき警官により幼い命が失われた。あってはならないことが起きた。遺族の心痛はいかばかりか」とし、弔意を述べた。
 12日付G1サイトなど(11)(12)によると、連邦道路警察は今月、昨年5月にセルジッペ州で起きた、ジェニヴァルド・サントス氏を警察車両のトランクに押し込み、催涙ガスを充満させて窒息死させた事件で、同氏の母に40・5万レアル、同氏の息子に100万レの賠償金支払いを命じられている。
 権力乱用や行き過ぎた捜査、犯罪者の集団殺害などは、連邦道路警察以外の警官でも起きており、国際問題にもなっているが、かつてリオ市で起きた、追跡中の車と路上駐車中の車を混同した警官が民間人の車に銃を乱射、幼児が死亡した事件後には、警官が直面している命の危険故のストレスに関する報道もあった。
 エロイーザちゃんの事件では盗難車追跡中の警察と、盗難車であることは知らなかったという遺族の言い分の違いや、捜査上の手順の周知不足などが顕著だった。職員の精神的なストレスへの対処も含めた再発防止策が求められている。


飛行機事故=釣り愛好家ら14人死亡=豪雨と追い風で滑走路超過か前の記事 飛行機事故=釣り愛好家ら14人死亡=豪雨と追い風で滑走路超過かルーラ「違法な経済封鎖の被害者」=G77でキューバ徹底援護=国連演説前に米国を批判次の記事ルーラ「違法な経済封鎖の被害者」=G77でキューバ徹底援護=国連演説前に米国を批判
Loading...