飛行機事故=釣り愛好家ら14人死亡=豪雨と追い風で滑走路超過か

北部アマゾナス州内陸部のバルセロス市で16日、中型機が墜落し、乗員・乗客14人全員が死亡した。これはブラジルにおける航空事故では2011年以来、死者数最多となった。18日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じている。
事故発生は午後3時頃で、州都マナウス市を出発した機が約400キロ離れたバルセロス市内の空港に着陸しようとしていた際に起きた。同フライトはスポーツフィッシング愛好家12人が搭乗したチャーター便で、操縦士、副操縦士あわせて14人の死亡が確認された。
バルセロス市はアマゾナス州内で最も有名なエコツーリズムの拠点として知られており、9月から2月にかけての釣りのシーズンは特に、ネグロ川を目指して多くの観光客が訪れている。
事故機はエンブラエル社のEMB―110「バンデイランテ」という双発機で、最大18人の乗客の収容が可能。このモデルは1973~91年の18年間に計498機が製造された。内253機がブラジルに残り、245機が輸出された。約320機は現在も使われている。事故機はマナウス・エアロタクシー社が運用しており、民間航空監督庁(Anac)による正規の運航許可を受けていた。
乗客にはゴイアス州やミナス・ジェライス州からの企業家、ブラジリア在住の医師も含まれていた。彼らはこの時期に同市を訪れる常連で、現地で釣りをすることを毎年楽しみにしていたという。
犠牲者の遺体回収は地元住民も協力して行われ、市内の体育館に一時的に保管された後、17日午後5時頃にマナウス空軍基地に運ばれ、検死と家族による身元確認が行われた。
原因はまだ特定できていないが、事故当時は激しい雨が降っており、滑走路を超過する危険性があることなどから、別の航空機2機は同市への着陸を断念し、マナウスに引き返したという。
航空安全の専門家のロベルト・ペテルカ氏によると、「着陸時に強い追い風があり、十分な滑走路がなく、オーバーランして丘に衝突した可能性がある」と指摘している。
事故調査はブラジル空軍の航空事故調査予防第7地域局(SERIPS VII)とアマゾナス州警察(PCAM)によって行われ、何らかの攻撃、故意、過失があったかどうか検証されることになる。