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下肢切断手術数で新記録=過半数は糖尿病が背景に

2023年9月21日

血糖値のチェック(©Marcello Casal/Agencia Brasil)
血糖値のチェック(©Marcello Casal/Agencia Brasil)

 ブラジル血管外科学会(SBACV)によると、2012年~2023年5月に統一医療保健システム(SUS)で下肢(足または脚)切断手術を受けた人は28万2千人おり、切断手術を受ける人は増加中と19日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
 SUSで下肢切断手術を受けた人は2022年だけで3万1190人おり、新記録を更新中だ。この数字は少なくとも85人/日が公立病院で下肢切断手術を受けたことを示す。
 切断手術を受ける人は増えており、アラゴアス州では12年の182人が22年には571人にと214%増。セアラ州とアマゾナス州は各々、175%と120%増えた。バイア州とロンドニア州も83%増だった。
 また、今年1~5月の手術件数1万2753件は昨年同期の1万2350件を上回り、今年も手術件数が新記録を更新する可能性が高い。
 SBACVによると、下肢切断手術を受けた人の過半数は糖尿病患者だが、喫煙や高血圧、脂質異常、加齢、慢性腎不全、凝固亢進状態、家族歴なども危険因子となり得る。
 同学会は、多くの患者は自分の健康状態を知らず、合併症が起きてから医療機関に駆け付ける例が多いことも懸念している。世界では5人に1人が糖尿病があることを知らないと見られている。
 また、足に潰瘍ができた糖尿病患者の死亡率は潰瘍ができていない患者の倍。下肢の大切断を受けた場合の生存率は低く、下肢切断者の約10%は術前~術後を含む周術期に、30%は切断後1年以内に死亡。3年後は50%、5年後は70%が死亡するという。発展途上国では潰瘍感染発生で診察を受ける人が多く、死亡率も高くなる。
 12年1月~今年5月に行われた手術中、42%強の11万8962件は南東部でのもので、北東部9万2265件、南部3万9952件、北部1万5848件、中西部1万5546件と続く。
 昨年の手術数上位州はサンパウロ州5万9114件、ミナス州2万9851件、リオ州2万4465件、ペルナンブコ州1万8523件、リオ・グランデ・ド・スル州1万6269件だ。
 糖尿病は血液循環にも悪影響を与え、動脈狭窄や組織への酸素や栄養の供給率低下を引き起こす。糖尿病による切断の85%は足の潰瘍から始まるため、食事療法や運動などで血糖値のコントロールに努めると共に、足の変形や感覚の変化によるケガの予防や早期治療で合併症を防ぐことも必要だ。


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