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シジ容疑者=デラソン内容が報道で漏洩=前大統領もクーデター相談=前海軍司令官が乗り気とも

2023年9月23日

シジ容疑者(Antonio Cruz/Agencia Brasil)
シジ容疑者(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

 21日、ボルソナロ前大統領の側近であるマウロ・シジ容疑者が連警に対して行った報奨付証言(デラソン・プレミアーダ、以下デラソン)の内容が一部明らかにされ、前大統領が大統領選終了後に軍関係者にクーデターの相談を持ちかけていたとの証言が行われていたことがわかった。同日付メトロポレス(1)やCNNブラジル(2)が報じている。
 この報道は21日午前中にグローボ紙のジャーナリスト、ベラ・メガーレ氏とUOLサイトのアギーレ・タレント氏が明らかにしたもの。デラソンの内容は極秘裏に収集されたもので、その内容は審議される以前に公開できない規定になっており、場合によってはデラソンが無効化される。だが16年12月19日付ConJurサイト記事によれば、ラヴァ・ジャット捜査の時以来、マスコミ報道で漏洩する場合は無効化されない慣例となっている。
 明らかにされた証言は主に二つで、一つはボルソナロ氏が渉外担当だった側近のフィリペ・マルチンス氏から、選挙結果を変える法案(ミヌタ)を渡されていたことだ。
 マルチンス氏は2021年7月、上院の審議に参加した際に、上院議長の背後で白人優越主義者を意味するポーズを取っていたことで物議を醸した人物だ。
 さらに、2022年12月18日午前に秘密の個別会談を開いて、クーデターに関する相談を行っていたという。その日は公式行事に予定は入っておらず、会談は秘密裏に行われたという。
 そこで呼ばれたのは、当時の連邦総弁護庁長官だったブルーノ・ビアンコ氏、国防相だったパウロ・セルジオ・ノゲイラ氏、海軍司令官だったアルミール・ガルニエル・サントス氏、大統領府安全保障室(GSI)長官だったアウグスト・エレーノ氏だったという。マルチンス氏がボルソナロ氏にミヌタを手渡したのも、この会談の合間だったということだ。
 この中でガルニエル氏が、「命令さえ出れば、それに応じる準備はできている」と答えていたという。ガルニエル氏との会談が持たれたことはシジ氏のメールの中でも確認されており、この会談の直前にマルチンス氏がボルソナロ氏に手渡したようだ。
 シジ氏によると、ボルソナロ氏は当時の三軍の司令官にはミヌタを一通り見せていたというが、好反応を示したのはガルニエル氏だけだったという。
 側近たちのメールによって判明したところによると、ボルソナロ氏は昨年の12月18~20日に、自由党(PL)党首のヴァルデマール・コスタ氏、パウロ・セルジオ・ノゲイラ前国防首相、元陸軍司令官のエドゥアルド・ヴィラス・ボアス氏、前通信相のファビオ・ファリア氏に会った記録が残っている。
 この報道を受け、ボルソナロ氏の弁護チームは「前大統領は在任中、法に触れるとされる行為やプロジェクトの類いは一切行っていない」との声明を出した。
 また、海軍も声明を出し、「シジ氏のデラソンを直接見ることができないので詳細なことは言えない」としながらも、デラソンでのガルニエル氏の言動に関して「軍の意向では断じてない」とした。
 ジョゼ・ムシオ・モンテイロ国防相は21日、CNNブラジル(3)に対し、「軍はクーデターの提案は一切受けつけなかった」と語っている。


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