モラエス判事=グレイシPT党首に反論=「選挙裁判所いらない」発言に
労働者党(PT)党首のグレイシ・ホフマン下議が選挙裁判所の必要性を疑う発言を行ったのに対し、現選挙高裁長官のアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事が反論した。21日付フォーリャ紙(1)(2)などが報じている。
グレイシ氏の発言は、20日に行われた下院での「恩赦の憲法改正補則案(PEC)」の審議の際に飛び出した。このPECは、選挙における政党支援金の運用上での違反や、女性や黒人などの候補者枠を守らなかった政党への罰金などを緩めるための法案だ。
グレイシ氏はこのPECの審議の際に選挙裁判所が各政党に科す罰金に触れ、「政党は金がなくて払えない」とした上で、「選挙に特化した裁判所など、世界でブラジルにしかない」と発言し、その存在意義を疑問視した。
モラエス判事は21日に声明を発表。名前こそ挙げなかったが、グレイシ氏の発言は「間違ったもの」と批判。「選挙裁判所は憲法の思想に対して反対する人たちや、民主主義を信じない人たちを取り締まるために存在する」と主張した。そして「大統領の党の党首からこのような発言が出たことは遺憾だ」とした。
この反論を受け、グレイシ氏は「発言が悪く解釈されてしまった」と、一歩引いた発言を行った。