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ジノ法相、最高裁判事に意欲見せる=保守PL党首との会談も=前大統領長男ら強く反発

2023年10月3日

ジノ法相(Jose Cruz/Agencia Brasil)
ジノ法相(Jose Cruz/Agencia Brasil)

 次期最高裁判事の有力候補と目されるフラヴィオ・ジノ法相が、ボルソナロ前大統領所属の野党最大党の自由党(PL)のバルデマール・コスタ・ネット氏と会談するなど、最高裁判事承認に向けたと見られる行動を行い、注目されている。9月30日付メトロポレス(1)などが報じている。

 バルデマール氏は9月28日、CNNブラジルでの放送内で、最高裁の次期判事にジノ法相が指名された場合、承認を決める上院本会議での投票で「PL議員は皆、賛成に投票しなければならない」との発言を行った。
 この発言はPL内部に強い波紋を投げ掛け、党員たちから不満の声が相次いでいる。それはジノ法相が、ボルソナロ氏の支持者たちが行った1月8日の三権中枢施設襲撃事件を取り締まる立場にある大臣だからだ。
 最高裁判事の承認には、81人の上院議員中、過半数の41人の支持が必要となるが、PLは上院で2位の11人の上議を抱えている。ポデール360(2)(3)によると、ボルソナロ前大統領の長男フラヴィオ上議は、「賛成などありえない」とネット上で憤慨を示し、上院議長選にも出馬したロジェリオ・マリーニョ上議も、「ブラジルに値しない人物だ」と切り捨てている。
 ボルソナロ氏本人も既にジノ氏の最高裁判事指名の可能性に関しては耳にしており、自身の意向は明らかにしないままで、「ジノ氏には絶対に投票しないと、私に言ってきている議員は沢山いる」と語っている。
 メトロポレスによると、バルデマール氏はこの発言を行う9日前の9月19日に、ジノ法相と会っていたという。バルデマール氏はこのとき、下院リーダーのアルチネウ・コルテス下議の要請で出向いており、話の内容もリオの治安対策に関するものだった。
 一方、ジノ法相は9月30日、最高裁判事の指名の可能性に関し、仮に最高裁判事に指名された場合、その後に政治家に戻る意図はないとの発言を行った。「最高裁に指名された場合、法衣を纏うことを人気獲得に利用し、それを手柄に政界に戻ることを考える人もいるかもしれない。だが、私の場合、それは絶対にありえない」と語っている。
 だが、グローボ紙(4)によると、ジノ氏の発言は連邦政府内で波紋を呼んだ。現状のジノ氏は候補の一人に過ぎず、現在は、ジョルジェ・メシアス連邦総弁護庁(AGU)長官やブルーノ・ダンタス国立会計検査院(TCU)長官とその座を争っている段階なのに、このような発言を行うのは早まった行為と見なす声が少なくなかったためだ。
 UOLサイト(5)によると、これを受け1日、ジノ法相は、リオ州の治安維持に国家治安部隊を派遣する許可と、犯罪組織との対立が激化しているバイア州の保安局に2千万レアルの支援を行うことを発表した会見の席で、「もうこれ以上、最高裁判事の話はしない」と発言。最高裁判事の指名に関しては、ルーラ大統領の判断に任せるとした。
 ルーラ大統領は今週中にも次期最高裁判事の指名を行うと予想されている。


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