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CPTM・メトロスト=終結するも対立鮮明に=保守知事VS左派組合=鉄道妨害疑惑で捜査も

2023年10月5日

3日の組合の総会(Paulo Pinto/Agencia Brasil)
3日の組合の総会(Paulo Pinto/Agencia Brasil)

 サンパウロ市地下鉄とパウリスタ都電(CPTM)、サンパウロ水道局(Sabesp)の職員組合は3日、この日に行った24時間ストを4日以降は継続しないことを決めた。だが、タルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事(共和者・RP)の民営化路線に抗議するために行われたストの影響は今後も尾を引きそうだ。同日付アジェンシア・ブラジル(1)などが報じている。

 今回のストは3日午前0時1分からの24時間という制限つきだったが、タルシジオ知事が民営化に関して、「さらに気持ちが高まった」などと発言したことで、4日以降もストが継続されるか否かに注目が集まった。だが、組合はストを継続せず、勤務に戻ることを3日の18時に開いた総会で選択した。
 G1サイト(2)によると、その背景には、労働地域裁が3日の午後、事前に命じていた6〜9時、16時〜19時のピーク時は100%操業させることを遵守しなかったため、罰金額を引き上げ、鉄道職員組合に150万レアル、地下鉄職員組合に200万レアルの罰金の支払いを命じたことがある。9月29日の司法判断では各組合に対して1日50万レアルだった。
 地下鉄職員組合のカミラ・リスボン会長は総会で、「市民に対して民営化の議論を提示できたことが大きい」とし、収穫を語った。「私たちは、サンパウロ州政府が今月10日に地下鉄とCPTMの入札規定を発表し、17日に民営化を行うと決め、来年の2月29日に入札を行うつもりでいることを示すことができた」と語った。
 タルシジオ知事はこの日、地下鉄、CPTM、Sabespの民営化に関して、「まだ決まったわけではない」と発言するにとどまっている。
 民営化反対派は、民営化された線で故障が相次いでいることを反対の理由の一つに挙げているが、ストが行われた3日の午後も、CPTM9号線で電気系統の故障が発生。モルンビ〜ヴィラ・ロボス・ジャグアレー駅までの8駅間が夜に至るまで不通となった。同線は4日になってもモルンビ〜ピニエイロス駅間が片側運転に戻ったのみだ。4日付R7などによれば、職員が線路上に金属製の物体があるのを見つけており、運営会社のヴィア・モビリダーデ社は銅線窃盗に加え、運行妨害工作があった可能性を疑い、警察に捜査を要請したと報じた。
 ヴィア・モビリダーデ社が運営しているCPTM8、9号線は、民営化した2022年1月27日から今年の1月31日までの約1年間で166件の故障を記録している。民営化前の2019年の両線での故障件数は1年間で121件だった。
 一方、Sabespの民営化に関しては政治闘争の様相を呈している。フォーリャ紙によると、タルシジオ知事は2024年の予算案をSabespの売却を前提として作成しているという。同公社の民営化には、州議会での承認がまず必要となる。
 一方、労働者党(PT)と社会主義自由党(PSOL)は最高裁に対し、タルシジオ知事が市長たちの選択権を奪う形でSabespを民営化しようとしていると訴えている。PSOLは来年のサンパウロ市市長選で世論調査1位のギリェルメ・ボウロス下議の政党で、今回のストも支援。ストをリードした職員にも同党党員が含まれている。
 水道の民営化は、欧州で再公営化を求める運動が活発化するなど、国際的に反対意見も目立っている問題でもある。


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