「判事任期11年を審議」=上院が最高裁に意趣返し?
最高裁判事の任期を制限しようとする法案の審議をロドリゴ・パシェコ上院議長が擁護したことで、ジウマール・メンデス判事をはじめとした最高裁判事らが反発。緊迫した空気が流れている。3日付メトロポレス(1)などが報じている。
事の発端は、同議長が上院で、「最高裁判事の任期を11年とする」との憲法改正法案(PEC)を審議する意向を示し、「審議する価値がある」と前向きな発言を行ったことにある。
現在の最高裁判事の任期は75歳の定年まで無制限で、判事の就任年齢が40代の場合、その任期は30年近く続く。
この「11年」という任期は欧州の最高裁でよく見られるもので、次期最高裁判事候補の一人でもあるフラヴィオ・ジノ法相も支持しているという。
だが、このPECの発端は、最高裁がマルコ・テンポラルや大麻所持の非刑罰化、同性婚などの審議を立て続けに行った結果、連邦議会の意に沿わぬ結果になったことだ。推進しているのは主に保守派のため、「報復か?」と反発する声も上がっている。
G1サイト(2)によると、最高裁のメンデス判事は3日、「連邦議会が変えたいのは本当に最高裁だけなのか?」として、連邦議会が司法界全体の判事の指名を意のままにしたいのではないかとの疑問をSNSで呈し、物議に拍車をかけた。
最高裁も4日、連邦議会に対し、「今は民主主義を強化するときで、判事の任期を決めるときではない」との声明を出している。