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イスラエル危機で原油価格上昇=ペトロブラスは即時値上げを否定

2023年10月12日

5日間の原油価格の推移(NYMEX公式サイトより)
5日間の原油価格の推移(NYMEX公式サイトより)

 7日に始まったイスラエル危機の影響で、国際的な原油価格が9日に4%以上上昇し、世界各国がインフレ急騰などへの懸念を強めていると9日付G1サイト(1)などが報じた。
 イスラエルは国際的な石油供給そのものには影響を及ぼさないが、今回勃発した危機は米国やイランを巻き込む可能性がある。特に、イランは今年の追加原油の重要な供給源で、市場の圧迫を緩和する役割を果たしているが、テヘランに対する米国の制裁が強化されれば、原油の輸送が制限される可能性がある。
 今回の危機で、攻撃計画に一役買ったとされるテヘランに対する報復が起きれば、イランが以前から脅かしていた、ホルムズ海峡の閉鎖が行われ、同海峡を通過する船舶が危険にさらされる可能性が生じかねない。米国は空母を含む軍団を地中海東部に移動させ、同地域の戦闘機の飛行隊を増強すると発表したが、イランは9日、攻撃への関与を否定した。
 危機勃発後、初めての営業日である9日の原油価格は、取引開始と同時に上昇し、供給ひっ迫への懸念の高まりを示した。12月のブレント契約は、6日の終値から1バレルあたり1・60米ドル上昇。原油価格は9月中下旬に1バレル=100米ドルまで上昇したが、10月第1週は消費懸念と資金の流れで急落していた。11日は価格が下がり始めたが、予断は許さない。
 アナリストの中には今回の紛争の影響は限定的とする人もいるが、サウジアラビアが日量100万バレルの生産制限を削減または撤廃するとの期待が低下し、イスラエルがイランを攻撃するリスクが高まったと見る人もいるようだ。先行きが不透明なために国際的な原油価格が上昇すれば、インフレも高進する可能性が高まる。
 他方、ペトロブラスのジェアン・パウル・プレテス総裁は9日、原油価格の先行き不透明感が高まり、国際的な原油価格高騰が起きれば、ディーゼル油やガソリンの価格を引き上げる可能性があることを認めたが、即座に値上げする可能性は否定した。
 同総裁はこの日、ノルウェー・ブラジル商工会議所とイノベーション・ノルウェー、リオ市のノルウェー総領事館が共催したイベントに到着した際、「紛争で不安定さが増すはずだが、少なくともペトロブラスにおいては、現行の価格政策がいかに有用で、国際的な問題の影響をどのようにして軽減できるかを示すことになるだろう」と発言。価格調整の可能性は認めつつ、ブラジルの価格政策は機能しており、国際的な価格変動の影響を軽減できる可能性があると語った。


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