アルゼンチン=ミレイ発言でペソ大暴落=初めて1ドル1千ペソ超
アルゼンチンで10日、並行レートで初めて1ドルが1千ペソに達した。同日付G1サイト(1)やイザーメ(2)が報じている。
これは同国が正規レートと併用され、現在では主要なレートとなっている「青ドル」で起こったものだ。同国政府は10日、これまであった三つの並行レート(ポウパンサ、クレジット、観光)を一つにまとめたが、そこで14時頃に1ドルが1040ペソを記録した。青ドルは8月には600ペソほどだった。
ペソ大暴落の背景には、大統領選の世論調査1位の極右候補ハビエル・ミレイ氏が8日と9日に立て続けに行った発言がある。ミレイ氏は8日の大統領選の討論会でペソをドルに変更するドル化発言を行い、9日に行われたラジオでのインタビューでも、「ペソはもう何の価値もない。あのクズは肥料にさえならない」「ドル化を進める際は間違いなく中銀を廃止する」と発言していた。
大統領選の一次投票は22日に行われるが、エル・パイス紙の調査によると、ミレイ氏は支持率35・3%で1位。現与党候補のセルヒオ・マッサ氏が30%で2位、中道保守のパトリシア・ブルリッチ氏が25・9%で3位と、三つ巴状態だ。同国では一次投票で1位が45%以上、もしくは40%以上で2位に10%ポイント以上の差をつければその時点で当選となる。