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ルーラ「ブラジル人救出協力に感謝」=イスラエル大統領と会談=ガザ地区に人道対応要請

2023年10月14日

12日、電話中のルーラ大統領(Ricardo Stuckert/PR)
12日、電話中のルーラ大統領(Ricardo Stuckert/PR)

 ルーラ大統領は12日、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領と電話で会談した。大統領はイスラエルの在留ブラジル人の帰国への協力に感謝し、ハマスによる攻撃への批判も行ったが、ガザ地区への人道的な処置を要請した。同日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)(4)などが報じている。
 この電話会談後、ルーラ氏はSNSを通じ、「ヘルツォグ大統領にはブラジル人救出に協力してもらったことを感謝している」と語った。
 CBNラジオ(5)やG1サイト(6)によると、ブラジルはガザ危機において、世界で最初にイスラエルに在留した人たちを救出して帰国させた国となっている。救出はブラジリア時間の10日に始まり、211人を乗せた最初の空軍機が翌11日にブラジリアの空軍基地に到着。214人を乗せた第2陣は12日にリオのガレオン空港の空軍エリアに到着。13日には69人を乗せた第3陣がペルナンブッコ州レシフェを中継後、大サンパウロ市圏グアルーリョスの空軍エリアに到着した。
 ルーラ大統領はこの電話で、パレスチナ自治区のイスラム武装集団ハマスのイスラエルへの攻撃を「テロ行為」と呼んで、批判した。ハマスがイスラエルの一般人150~200人を人質にとっていることや人質の強姦や殺害も起きていること、複数のキブツ(農業共同体)で赤ちゃんも含む村民を虐殺したことなどは、危機発生直後から報じられている。
 さらにルーラ大統領はヘルツォグ大統領に対し、ガザ地区に住む人々に対し、水道や電気を遮断することをやめ、ガザ地区から脱出することを希望する人のための人道回廊(民間人を安全な場所に退避させたり、衣料品や食料などの支援物資を運び込んだりするためのルート)を設けることも求めた。「無実の人たちを戦争を求める輩たちの犠牲にしてはいけない。ガザ地区から脱出したい人をエジプトに逃すよう訴えた」とルーラ氏は語っている。
 イスラエル側がガザ地区住人に対して行った水道や電気の遮断は人道的な立場から国際的に批判が相次いでいる。同国は12日にガザ地区の住人110万人に対し、24時間以内に地区南部に避難するようにとの命令も出している。110万人はガザの人口230万人のほぼ半数にあたるが、国連側はこの通告を「人道的に壊滅的な危険を及ぼしかねない」としてやめるよう警告している。
 G1サイト(7)によると、ルーラ大統領は現在、ガザ地区に在住するブラジル人をエジプトに避難させた後、ブラジルへ帰国させることを願っており、12日に大統領専用機をローマに送った。帰国希望者は28人といわれていたが、ガザからエジプトへの国境はイスラエル軍が3度にわたって爆撃しており、極めて危険な状況に置かれていることなどで帰国を諦める家族が出て、エジプトに渡されたリストは22人になっている。
 また、13日にはニューヨークの国連本部で臨時の安全保障理事会が開かれ、ブラジリア時間の16時から、ガザ地区に関する今後の対応に関して話し合われている。
 現在、国連の安保理はブラジルが輪番制の議長国となっており、マウロ・ヴィエイラ外相が会議を取り仕切っている。そこではガザ地区の人たちへの人道支援などについて話されると見られている。


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