大統領=北部干ばつと南部水害に対処=現地支援に閣僚ら急かす

【既報関連】ルーラ大統領が12日、深刻さを増す自然災害による被災者への支援や復旧に向けた取り組みについて、閣僚達とビデオ会議を行ったと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。会議の焦点は風水害で悩むサンタカタリーナ州と歴史的な干ばつや森林火災に悩むアマゾナス州だ。

大統領はX(旧ツイッター)に、「リオ・グランデ・ド・スル州同様、技術者や局長、大臣を派遣し、資金移転や対話を通じて特別な注意を払ってきた。閣僚達には全チームを動員し、州政府や市役所が利用できるようにするよう命じた。連邦政府はサービスを提供し、被災者や被災地の救済に細心の注意を払い、寄り添い、行動している」と投稿した。
ルーラ氏は9月29日の手術後は、大統領官邸から電話を入れたり、ビデオ会議を行ったりして業務を遂行している。
12日付アジェンシア・ブラジルなど(2)(3)によると、サンタカタリーナ州では12日までに143市が被災し、112市が非常事態を宣言。連邦政府は同日、ヴァルデス・ゴエス地域統合開発相やマリーナ・シルヴァ環境相、マウリシオ・アビジャオディ国家水資源庁副長官、ヴォルネイ・ヴォルフ・バレイロス国家防災局長らを派遣。一行は上空視察後、知事や市長、州議や市議、市民の代表とも会った。
ゴエス氏は、国と州、市は雨が降り始める前から会議を持ち始め、各レベルの防災機関が協力、提携してきたことを評価。連邦政府の状況監察室でも州政府同様に監視を行い、毎日、警報や報告を出していると語った。互いを理解していると被災者が出た時もより組織的、より効果的に支援ができるとし、被災地再建のための財政援助などにも言及した。
ジョルジーニョ・メロ知事も川の浚渫を含む防災工事の必要に言及。13日付G1サイトなど(4)(5)(6)によると、現在の雨は少し弱まったが、大量の雨を吸い込んだ土地は土砂崩れなどが起こり易い。12日には州都近郊のサンボニファシオで橋の崩落も起きた。また、ダムの水門閉鎖で先住民の集落四つで浸水被害が発生したため、段階的な水門開放を再開。慎重な水位観察も行われている。
他方、北部での干ばつも深刻化しており、12日付d24amサイト(7)によると、アマゾナス州では非常事態宣言市が50に増加。通常通りに活動できているのは2市のみだ。川の水位低下で船舶の航行は困難になり、小型船でも自由に航行できない。物資や人の移動も難しく、周辺州も含め、食料や飲料、工業生産用の資材などの不足も拡大。森林伐採後の焼き畑に乾燥、熱波などが重なり、森林火災も多発。13日付G1サイト(8)によると、13日には消防士149人の派遣も決まった。
なお、13日付G1サイトなど(9)(10)(11)によると、マナウス市は森林火災増加を受け、11日から3日連続で煙で覆われている。同市の大気汚染は深刻で、11日に130カ国で採集されたデータでは大気中の汚染物質が459up/立法メートルを記録。この数値が300を超えると市民の健康にも重大な影響を及ぼす危険があるとされており、同日は米国シスキュー市で記録した747upに次ぐ汚染レベルだった。