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連邦政府=食料獲得プログラム予算増額=食料不安に直面する家庭支援

2023年10月18日

PAA20周年記念イベント(©Valter Campanato/Agencia Brasil)
PAA20周年記念イベント(©Valter Campanato/Agencia Brasil)

 「世界食料デー」の16日、連邦政府が2023年の食料獲得プログラム(PAA)用予算を2・5億レアル増額すると発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
 PAAには様々なモダリティがあり、今年の予算は9億レアルを超える。今回増額された資金は国家配給公社(Conab)が管理する同時寄付による購入モダリティに充てられる。同モダリティでは家族農から買い上げた農産物を公立病院や公立保育園、大衆食堂、連帯キッチンその他の機関を通じ、食料不安に直面している家庭に無料で配布している。
 前政権は同時寄付に260万レアルのみを充てていたが、現政権は既に2・2億レアルを投入。今回の増額で今年の同時寄付用予算は7億レアルとなった。
 パウロ・テイシェイラ農業開発・家族農相は予算増を発表すると同時に、PAAは20年前に発足し、ブラジルが2014年に飢餓地図から抜け出せた鍵となった政策だが、それ以降の政権はPAAを形骸化したと嘆いた。
 PAA復活のための暫定令は議会で承認後、正式な法令となった。法令では飢餓対策プログラム用の食料の30%以上を家族農から買い上げること、同時寄付や在庫形成、直接購入の各モダリティに女性生産者や家族農が販売できる金額を1人1万2千レアルから1万5千レアルに引き上げること、路上生活者や食の安全が脅かされている人に無料で食事を提供する連帯キッチン創設も定めている。
 また、食料調達プログラム管理グループ(GGPAA)やGGPAA諮問委員会を通し、市民団体の参加を再開。プログラム実行への女性の参加率も40%が50%となり、家族生産には先住民や解放奴隷の子孫、伝統部族、農地改革入植者、黒人、女性、農村部の若者を優先的に取り入れている。
 予算拡大を伴うPAA再開は、小規模農家による生産奨励という社会運動によるもので、食の安全が脅かされている人への食料供給と生産組織強化という、飢餓対策の基本策だ。
 ブラジルは14年に飢餓地図から抜け出したが、コロナ禍の2020~22年は人口の9・9%が深刻な食料不安を経験。重度~中程度の食料不安経験者は32・8%で、2013~16年の18・3%から急増した。
 同日はConabが4万5千トン超、2億5千万レアル相当の食料を家族農組合から購入するための契約5件を締結。ウエリントン・ジアス社会開発相も、15州の先住民コミュニティ支援用のピックアップトラックや冷凍トラック、モーターボート購入のため、4千万レアル相当のPAA定着モダリティ関連の契約締結書類に署名した。


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