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アマゾン川支流が砂漠に=狭い汚水路化で下痢頻発

2023年10月18日

[caption id="attachment_403253" align="aligncenter" width="1024"]アマゾナス州テフェ近郊のソリモンエス川の干上がった河床を歩く漁師
(Foto: instagram @lalodealmeida) アマゾナス州テフェ近郊のソリモンエス川の干上がった河床を歩く漁師
(Foto: instagram @lalodealmeida)[/caption]

 ブラジル北部の干ばつが深刻化し、アマゾン川の主要な支流であるソリモンエス川の一部が砂漠化し、周辺の先住民コミュニティに大きな影響を与えている。また、水不足が深刻化して汚染水を飲んでいる先住民は下痢や嘔吐などに苦しんでいる。15日付フォーリャ紙(1)が報じている。
 川が干上がり、砂漠と化したのはアマゾナス州テフェのポルト・プライア・デ・バイショ地区で、コミュニティのリズムを作り出していた激流は消え、見渡す限りの巨大な砂州(さす)が広がっている。コカマ、ティクナ、マヨルナといった部族の先住民達は口を揃え、今年の干ばつは過去最悪で、2010年の干ばつよりも厳しいと指摘。川は干上がる一方で、砂州が拡大しているため、生活に不可欠な舟や船も遠くに停泊せざるを得ない状態だ。例年より早く始まった干ばつは長期化し、11月までは続く見込みだ。
 この厳しい状況下で、先住民達は生活上の制約にも直面している。
 「悲惨だ。漁に出ることも、町で売るために製品を持ち出すこともできない」とアミルトン・ブラス・ダ・シルヴァ・コカマ酋長(52)は言う。同地域では100世帯以上が主に小麦粉とバナナを生産している。
 即興の浚渫船で小舟用の水路を造り、水を得ようとする先住民もいるが、焼け石に水。また、深刻な干ばつでも犯行を続ける海賊に船のエンジンが盗まれることも懸念材料だ。先住民達は伐採業者や違法漁者といった侵略者から自分達を守るために自主境界線を定め、海賊を監視し、対抗するための警備隊を設置した。
 ボアラ地区ノヴァ・エスペランサ・ド・アラウイリ村の先住民達も孤立化の一途を辿っている。パラナン・ド・アラウイリの小川は淀み、生ぬるく濁った、悪臭を放つ狭い水路と化した。ボートではソリモンエスまで辿り着けず、砂州を2キロほど歩かなければならない。
 ノヴァ・エスペランサでは慢性的な水不足が続き、先住達は小川の泥水を使わざるを得なかった。その結果、特に子供たちの間で下痢、嘔吐、発熱、腹痛が大流行し、学校の授業も麻痺した。
 このような状況を受け、ニジア・トリンダーデ保健相は16日、同州に2億2500万レアルを投じると発表した。(2)この資金は州内3市を中心とするプライマリ・ケア(初期段階の医療)の支援強化や、中・高難度のケアの上限回復のために割り当てられる。資金の割り当ては同州内の市保健局長会議と協力して行われる予定だ。
 同省は先週、1万人以上に最長1カ月間対応できるよう、32の医薬品と16の医療機器を含む災害キット7個や経口気管挿管用医薬品を同州に送付。干ばつによる健康問題は監視中で、来週は先住民局職員を現地に派遣する予定だ。必要に応じた追加支援提供も約束している。


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