サンカエタノ市がバス無料化=サンパウロ大都市圏で2番目

サンパウロ大都市圏サンカエタノ市のジョゼ・アウリシオ市長が16日、市内バスの乗車料金を無料とする法案を市議会に提出したと同日付G1サイト(1)が報じた。
同市では1日あたり1万5千人が市内バスを利用しているが、市議会が同法案を承認した場合、市がバス会社に対して乗客1人につき5レアルを直接支払うため、乗客は8路線あるバスを無料で利用できるようになる。
同市長によると、同市では2017年から市の財政を厳格に管理しており、無料化が可能と判断したという。また、無料化で利用者が増えることを考え、現在の走行車両数を5台増やし、54台とする予定だ。無料化のために市が考えている投資額は月290万レアルだという。
全国公共交通業者協会(ANTP)によると、50人を乗せたバスの乗客1人あたりと比較した場合、バイクは大気を32倍汚し、エネルギーを5倍使うという。乗用車とバスを比較した場合(乗用車の平均乗員は1・3人、バスは50人と仮定)、乗用車は大気を17倍汚し、13倍のエネルギーを使うという。
市役所側は11月1日からの無料化実現を望んでいるが、実際の開始日は市議会の審議の進捗状況によって決まる。
正式に承認されれば、サンパウロ大都市圏39市中では、ヴァルジェン・グランデ・パウリスタに次ぐ、2番目の無料化市となる。
なお、サンパウロ市のリカルド・ヌネス市長もバス料金の無料化について専門家に検討を命じたことがあるが、同市では2020年からバス料金を4・40レアルに抑えており、市役所が負担する補助金額が右肩上がりに増えているため、無料化は検討段階を超えていない。
同市が負担している補助金は9月だけで4・6億レアルを超えており、今年の累計が40億レアルを超えた。今年の補助金総額は74億レアルに達すると見られている。20年、21年の補助金額は33億レアルで、22年(11月まで)は46億レアルを支払っている。