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アルゼンチン大統領選間近=一次当選目指すミレイ氏=中国の援助求める現大統領

2023年10月20日

集会で支持者に語りかけるハビエル・ミレイ氏(19日付CNNブラジルサイトの記事の一部)
集会で支持者に語りかけるハビエル・ミレイ氏(19日付CNNブラジルサイトの記事の一部)

 22日に行われるアルゼンチン大統領選一次投票での勝利が有力視されている極右候補のハビエル・ミレイ氏(自由前進党・LLA)が18日、首都ブエノスアイレスで大規模な集会を開き、自国を「世界の大国」に変貌させるという公約で締めくくった。19日付CNNブラジルなど(1)(2)(3)が報じている。
 集会会場は若い聴衆で埋まり、ミレイ氏は、「何も変わらないと諦め、ますます貧しくなる状況を受け入れてはいけない」と訴えた。
 経済のドル化と中央銀行廃止を提案するミレイ氏は、自らを無政府資本主義者と位置づけており、政治家が国民を「搾取」し続けるのをやめさせるために政界に参入せざるをえなかったという、いわゆる「アウトサイダー」であると自らを表現した。同氏に投票することは「暗闇への飛び込みだ」とする対立候補の主張に対し、「何の話をしているのか。国民を暗闇に落とし入れているのはあなた方だ」と批判した。
 同集会ではミレイ氏の一次投票での勝利を叫ぶ支持者からの声援や、政敵とされるベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領へのブーイングや罵声と共に、反対派がミレイ氏も地元のメディアの一部が政治家から資金を受け取っていると非難する場面もあった。
 集会に参加したアリエル・ヴィンネルさんは、14年間バスの運転手として働いて生計を立てている。収入は2千レアル(約6万円)程度(就労時間により増減あり)だが、月末には金が底をつき、多くの出費を削る必要があるという。
 「支払いのために銀行から借り入れをしているが、早起きして、バスターミナルの前でコーヒーやお菓子を売って生活費の足しにしようと考えている」と彼は言い、現在の状況を改善するためにミレイ氏に望みをかけているという。
 他方、選挙戦が終盤に差し掛かる中、中国を公式訪問したアルベルト・フェルナンデス大統領は18日、北京で習近平国家主席と会談後、中国中央銀行がアルゼンチンに対し、両国が共有する通貨スワップ枠からさらに65億米ドル(約9700億円)を提供したと発表した。
 この動きは大統領選を目前に控えたもので、政局の不確実性がアルゼンチン資産に圧力をかけている。フェルナンデス大統領は50億米ドルを要求したが、習近平氏は15億米ドルの追加を認めたと述べた。「これはアルゼンチンにとって大きな安堵だ」と大統領は語った。
 アルゼンチン中央銀行は声明の中で、これらの資金は「二国間の貿易発展目標とアルゼンチンの金融市場の安定化に適用することができる」と述べた。


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