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選挙高裁=ボルソナロに2度目の有罪判決=独立200周年の選挙宣伝利用で=ブラガ・ネットも出馬禁止に

2023年11月2日

10月31日の審理(Antonio Augusto/Secom/TSE)
10月31日の審理(Antonio Augusto/Secom/TSE)

 選挙高裁は10月31日、ボルソナロ前大統領のシャッパ(連立名簿)に対し、選挙法違反で2度目の有罪判決を下した。今回の裁判では、ボルソナロ氏が最初に有罪判決を受けた6月の裁判では無罪となっていた副候補のバルテル・ブラガ・ネット氏も有罪となり、出馬が有力視されていた来年のリオ市長選への出馬が危うくなった。同日付UOLサイト(1)やポデール360(2)が報じている。

 今回の裁判では、ブラジルの独立200周年を記念する昨年の9月7日、当時大統領だったボルソナロ氏がブラジリアで大統領として演説した直後に大統領綬(帯)を外して道路を横切り、宣伝カーで選挙キャンペーンを実施したことや、リオ市コパカバーナで、軍のパレード後に演台に立ち、支持者に投票を呼びかけたことなどの是非が問われた。前大統領は同日は選挙システムを疑う発言を行っていない。
 この件を「職権乱用」として訴えたのは、民主労働党(PDT)と、大統領選に出馬していたソラヤ・スロニッケ上議(ウニオン)だ。
 この件に関しては当初、連邦検察庁がお蔵入りを求めたことなどから、ボルソナロ氏や支持者たちの間で、「有罪を免れるのではないか」という楽観的な空気が流れていた。
 だが、報告官を務めたベネジト・ゴンサウヴェス判事が裁判初日の10月24日に、「テレビの選挙キャンペーンの延長を独立記念日の式典で行った」として有罪を主張すると、形勢は被告側に不利に働いた。この日の時点でフロリアノ・マルケス判事がベネジト判事に賛成、ラウル・アラウージョ判事が反対で、2対1のまま、10月31日に審理が持ち越されていた。
 10月31日に再開された審理では、アンドレ・ラモス・タヴァレス、カルメン・ルシア両判事が有罪に賛成票を投じた後、アレッシャンドレ・デ・モラエス長官が続き、有罪に5票が入った。カシオ・ヌーネス判事は4万レアルの罰金を求めたのみで無罪としたが、5票対2票で有罪となった。
 5対2という投票結果は、昨年7月に大統領官邸で各国の代表を招いて行われた会合での、ボルソナロ前大統領による選挙システムを疑う言動に関する裁判の時と同じだった。
 だが、今回が6月の裁判の時と違うのは、前回は無罪だったブラガ・ネット氏も有罪となったことだ。これによって、同氏は2030年までの8年間、出馬不可となる。ブラガ・ネット氏は来年のリオ市長選への出馬が有力視されていた。
 モラエス長官は投票の際、ブラガ・ネット氏に関して、「公金を使ったイベント二つに参加したことで、選挙で恩恵を受けたことは否定できない」との見解を示していた。
 G1サイト(3)は、ブラガ・ネット氏が出馬禁止となったことで、リオ市のボルソナロ派は同市での選挙の焦点を市議選に絞りつつあるとと報じている。
 ボルソナロ氏が出馬できない期間は8年間のままだが、2度目の有罪判決で、出馬禁止を覆すための訴状が増えたことになる。
 また、ボルソナロ氏には42万5600レアル、ブラガ・ネット氏には21万2800レアルの罰金も科された。
 判決後、両被告の担当弁護士は「審理の結果を尊重し、受け止める」と発言したが、ブラガ・ネット氏の出馬禁止措置に関しては上告の可能性があることをほのめかしている。


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