ゼレンスキー、ブラジル訪問に向け準備=新興国の支持集めで

ウクライナのドミトロ・クレバ外相はCNNに対し、ゼレンスキー大統領のブラジル訪問を実現させるため、同国の外交官がイタマラチ(ブラジル外務省)の代表と協力し、調整段階に入っていると明かした。ブラジルのマウロ・ヴィエイラ外相と共々、両国間の関係強化の取り組みを推進するよう、双方の大統領から直接指示を受けていることを強調した。10月30日付CNNブラジルなど(1)(2)が報じている。
この決定は、9月に米国ニューヨークで開催された国連総会の最中に実現した両大統領の初の直接会談後に行われた。
訪問日程は未定だが、クレバ外相は、ウクライナで続いている紛争において、同国を支持する先進国とは異なる立場をとる新興国との距離を縮めようとする、ゼレンスキー大統領の取り組みの一環であると強調した。また、ロシアとの戦争状況について、両国政府間で綿密な協議を行っていることを明らかにした。
同相はさらに、ブラジル外交特別顧問のセルソ・アモリン氏は、ゼレンスキー大統領が提案したウクライナの和平案の進展に向けた取り組みに協力し続けるよう指示されており、10月28日〜29日に地中海のマルタ共和国で行われた和平協議にブラジルが参加したことは、両大統領が署名した合意の履行を示すものだと述べた。
2022年2月に始まったロシアとウクライナの戦争について、ブラジルは中立の立場をとっている。この意向はボルソナロ前大統領(自由党・PL)の政権下で宣言されたものだが、ルーラ氏は大統領就任時、ロシアによるウクライナ侵攻を非難すると述べたが、紛争解決のための対話を提唱した。
開戦から1年半以上経った今も、ゼレンスキー大統領は自国政府への支持を集めようとしている。クレバ外相は、「ウクライナは外圧者に対する正義の戦争の渦中におり、これは国の生存のための戦争だ。国家が国家を攻撃したのだ。ブラジルが、自由と独立と尊敬のために戦っている我々の側に立ってくれることを願っている」と述べた。