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ヒズボラがブラジルでテロ計画か=連警が容疑者2人を逮捕

2023年11月10日

警察関係のイベントでトラピシュ作戦などについて語るジノ法相(8日、©Tomaz Silva/Agencia Brasil)
警察関係のイベントでトラピシュ作戦などについて語るジノ法相(8日、©Tomaz Silva/Agencia Brasil)

 連邦警察が7~8日、ブラジル国内でのテロ行為を計画していたヒズボラ系テロ集団摘発のための「トラビシェ作戦」を遂行し、容疑者も逮捕したと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
 フラヴィオ・ジノ法相によると、同作戦は、イスラエルと敵対し、レバノンが拠点のイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの関係者らがブラジル国内で計画中のテロ行為の準備活動を阻止し、ブラジル人をリクルートしている証拠を得るためのものだ。
 同作戦の容疑者は5人で、ミナス州とサンパウロ州、連邦直轄区での家宅捜査令状11件と逮捕令状4件が出た。逮捕令状が出た4人中、2人は7~8日に逮捕されたが、残る2人はブラジルに帰化した二重国籍のレバノン人で、現在はレバノン在住のため、同国にいる限り、逮捕できない。ブラジルは既にインターポールの協力を要請済みで、同国を出次第、逮捕できる。5人目の容疑者は家宅捜査を受けたが、逮捕令状の対象外だ。
 今回の作戦はFBIなどの他国の諜報機関からの情報も得た捜査の結果だ。逮捕者の1人は、最近レバノンを訪れたとの情報を得た連警が7日夜、サンパウロ州グアルーリョス空港に着くのを待って逮捕した。サンタカタリーナ在住の男性は8日にサンパウロ市で逮捕された。
 二人共、サンパウロ市の連邦警察に連行されており、8日には同件の捜査を担当しているブラジリアの連警警官が、二人を取り調べるためにサンパウロ市に赴いた。ブラジリアに移すかは未定だ。
 8日付エスタード紙(4)によると、ラ米地区はレバノン以外では最大の同国人居住地域で、三国境地域中心に700~1千万人が住んでいる。また、移民社会であることや麻薬の流通などで資金調達やテロリストの勧誘~訓練が行い易く、テロ行為の計画や実行後の逃亡も容易だという。連警はヒズボラがブラジルでテロ行為実行要員を集めていることを把握済みで、家宅捜査では携帯電話や現金、コンピューター、手帳等を押収した。
 8日付G1サイト(5)によると、家宅捜査を受けた人物はヒズボラ関係者にリクルートされたことを認めている。また、8日付ノチシアスr7サイト(6)などによると、連警はテロ行為の標的はイスラエル大使館やユダヤ教の集会所(シナゴーグ)である可能性を含めて捜査を進めているという。
 他方、8、9日付CNNサイト(7)(8)によると、今回の作戦後にイスラエル諜報特務庁(同国の対外情報機関)が連警を支援したと発表したことや、イスラエルのダニエル・ゾンシャイン駐ブラジル大使が連邦議会でボルソナロ前大統領と野党議員と会合を持ったことなどを受け、ジノ法相が9日、どんな国も連警の捜査結果を先んじて知ったり、介入したりすることはできないと明言。連警の捜査はハマスによるイスラエル攻撃前に始まっており、時が来れば、捜査結果を司法当局に提出するとも語った。


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