税制改革法案=反対押切り上院承認=5税が二つに統合へ=残るは下院の再承認

8日、上院で税制改革法案の全体投票が2度行われ、共に規定を上回ったことで承認された。これは30年来議論されて続けてきた最重要な懸案事項で、連邦政府が中道勢力セントロンの協力を得たことでなんとか勝利した。これで同法案は下院に回され、審議されることになる。同日付UOLサイト(1)やG1サイト(2)が報じている。
投票は8日のうちに2度行われ、どちらも53票対24票という結果だった。同法案は憲法改正法案(PEC)の扱いであったため、承認には全体の6割に当たる49票以上の賛同票が必要だった。
今回のPECに賛同したのは、労働者党(PT)、民主労働党(PDT)、ブラジル社会党(PSB)といった与党勢力と、民主運動(MDB)、ウニオン、社会民主党(PSD)といった連邦政府内で閣僚協力を得ている中道勢力だ。
また、閣僚1人を輩出したばかりの進歩党(PP)は民主社会党(PSDB)やポデモス同様、議員の判断に任せた。反対した政党は、自由党(PL)、ポデモスで、閣僚を1人出している共和者(RP)も全員が反対した。
今改革法案の目玉の一つは、現在存在する五つの税金を廃止して、2種類の付加価値税 (IVA、国税と地方税)を創設することだ。社会統合基金(PIS)、社会保険融資納付金(Cofins)、工業製品税(IPI)の三つがサービス税(CBS)に、州税の商品サービス流通税(ICMS)と市税のサービス税(ISS)がサービス関税(IBS)に代わることになる。また、タバコやアルコール飲料に対しては新しい税金を設ける。これは、税収増と共に健康や環境に悪いことに対する消費抑制を促進する狙いも込めたものだ。
また、13キロの台所用ガスボンベ(ボチジョン)のように、低所得者層に税金のキャッシュバックを義務付けた品目が設けられた。
さらに、北東部、北部、中西部の電気自動車やエタノールを使うハイブリッドカーなどの工場に対するインセンティヴ延長も認められた。
加えて、基礎生活用品セット(セスタ・バジカ)に対する免税やキャッシュバックを定めた二つの制度が設けられ、教育や保健、医薬品、公共交通機関など10品目で60%の税金カットなどを見込んでもいる。
これらの変更点に関しては、PLの知事たちが強く反発。サンタカタリーナ州のジョルジージョ・メロ知事やリオ州のクラウジオ・カストロ知事が自身の州の上議に対して、反対票を投じるよう働きかけたりしていた。ボルソナロ前大統領も改革案に強く反対し、近い関係にある上議に電話をかけ、反対票を投じるよう促していた。
こうした動きを受け、ロドリゴ・パシェコ議長(PSD)は本会議前に、報告官のエドゥアルド・ブラガ上議(MDB)と、承認に向けて念入りに話し合いを行っていた。
承認の決め手となったのは経済多様化維持ファンドの増強だった。これは国からの資金がアマゾニア、アクレ、ロンドニア、ロライマ、アマパーなどの州に行きやすくするためのものだった。
アジェンシア・ブラジル(3)(4)によると、同法案は既に下院で承認されたものだが、上院で修正が加えられたため、再び下院に差し戻される。なお、ハダジ財相は八日夜、財政改革案は年内に施行される可能性があるとの見方を示した。