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人種平等=連邦政府が第2次政策提示=新たに五つのキロンボを認定

2023年11月22日

人種平等に向けた第2次政策発表式典(©Fabio Rodrigues-Pozzebom/Agencia Brasil)
人種平等に向けた第2次政策発表式典(©Fabio Rodrigues-Pozzebom/Agencia Brasil)

 黒人の意識高揚の日の20日、ルーラ大統領が人種平等に向けた連邦政府の第2次政策を提示し、新たなキロンボ(解放奴隷の子孫達が文化や習慣も残しながら暮らす居住地)も五つ、認定されたと20日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
 第2次政策には、キロンボの居住地制定や国家プログラム、交換留学用奨学金、省庁間の作業部会創設の他、生活や社会統合、記憶(記念)、土地や修復のための権利の保証や拡大のための取り組みなど、全部で13の行動が含まれる。
 大統領は第2次政策発表に際し、これらの措置は「白人至上主義が発覚して以来、我が国で築かれてきた歴史的負債の支払い」と述べた。
 また、「この日を祝う方法の一つは心からの愛や敬意、親しみを覚え、私と共に政治の世界に生まれ、党の設立に貢献し、数十の悪事の犠牲となってきた人物を参加させることだと思う」とし、べネジタ・ダ・シルヴァ下議(労働者党)を顕彰した。大統領は「彼女とはスラム街で出会ったが、長年そこに住み、子供や孫達を育てたのに今も無傷のままで、40歳の時よりさらに美しい」とし、黒人はブラジルの建設とアイデンティティに関する責任を負っていると強調した。
 具体的な内容を発表したのはアニエレ・フランコ人種平等相で、「人種差別に立ち向かい、人種平等を促進する国はより発展し、より公正で民主的だ」と強調。「国の歴史を認識し、伝えることは黒人意識の柱の一つ。ここに至るには街頭や権力空間の占拠も起きた。これらの種は人口の56%を占める黒人の権利を促進する国の責任を保証するために植えられた」とし、「人種主義への取り組みは不平等や社会的排除の根源との闘いを意味する」との言葉で連邦政府の取り組みの重要性を強調した。
 3月に打ち出された第1次政策は土地所有権や行政の場での黒人枠確保、黒人の若者の致死性を減らすための措置、省庁間の作業班創設などを含んでおり、9月の国連総会では人種平等達成のための持続可能な開発目標(SDG)の自発的採択も発表された。
 式典では、国立植民農地改革院(Incra)がトカンチンス州アラグアチンスのサンヴィセンテ(55世帯)とセルジッピ州アンパロ・デ・サンフランシスコ・エ・テーリャのラゴア・ドス・カンピーニョス(89世帯)のキロンボ二つの住民(キロンボ―ラ)に土地の権利を与えた他、マラニョン土地研究所も、45世帯が所属するポヴォアド・マリャーダ・ドス・プレットス住民協会と50世帯が所属するポヴォアド・サンタクルス住民協会、80世帯が所属するセラノ・ド・マラニョン市のデウス・ベン・サーベ・キロンボ―ラ農村労働者黒人コミュニティ協会に土地の権利を譲渡した。
 連邦政府は、この措置は生物多様性の保全と気候安定に役立つ上、キロンボ住民が継承している文化や生活様式、有形無形の資産の評価と認識に貢献するという。領土にまつわる不安はキロンボを巡る紛争の主要因で、コミュニティでの暴力発生率の高さや社会的不安定さの根源となっている。地理統計院(IBGE)によると、キロンボと認定された土地に住むキロンボーラは解放奴隷の子孫達の5%。人種平等省はIncraと共にタイトル付与のためのプロセス1800以上を進める意向だ。
 黒人の意識高揚の日は黒人や黒人の文化や生活様式の価値を認め、人種差別をなくしていくための日だ。11月を黒人啓発月とする自治体もあり、人種差別と闘うための抗議行動や、黒人の価値を高め、黒人の文化や生活様式の普及に努めた人を顕彰するイベントも開催された。一例はリオ市プレジデンテ・ヴァルガス大通りで、道路の真ん中に奴隷制に反対した黒人抵抗運動の英雄のズンビ・ドス・パルマレスの巨大な胸像を展示。活動家やカポエイリスタ、子供達が集まって、英雄の業績やその遺産を讃えた。


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