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ミレイ当選=ブラジル経済への影響限定的か=メルコスルEU協定加速へ

2023年11月22日

ハビエル・ミレイ氏(20日付CNNブラジル・サイトの記事の一部)
ハビエル・ミレイ氏(20日付CNNブラジル・サイトの記事の一部)

 19日にアルゼンチン次期大統領に当選したハビエル・ミレイ氏(自由前進)は選挙期間中、ブラジル政府との関係を断ち切ると発言しており、両国間の貿易や協力関係に影響を与える可能性が懸念されているが、同氏の発言は単なる政治的な主張や宣伝の一環で実行に移す可能性は低いと専門家らは指摘している。20日付CNNブラジル・サイトなど(1)が報じている。
 「リスクはないと思う。同氏が左派に対する反対の立場を強調するための演説だった」とブラジル銀行連盟(Febraban)の元チーフエコノミスト、ロベルト・トロステル氏は説明した。
 選挙前の15日には、ミレイ氏の選挙運動のメインコーディネーターであるギジェルモ・フランコス氏が、両国間のつながりは「個人的な立場を超えたもの」と発言し、ミレイ氏の勝利が二国間関係に影響を与えることはないとした。
 また、ルイス・フェルナンド・フィゲイレド元中央銀行理事は、ミレイ氏とルーラ大統領が親密な関係を構築することはないと言うが、ミレイ氏の経済計画が成功することはブラジルにとって有益であり、財政的に安定した隣国を持つことは重要であると強調している。
 商工開発サービス省(MDIC)のデータによると、アルゼンチンにとってブラジルは第3位の輸出相手国であり、2022年の貿易収支は約130億9千万米ドル(約1兆9千億円)であった。また、ブラジルからアルゼンチンへの製品輸出も第3位で、その総額は約153億4千万米ドル(約2兆2千億円)だった。
 また、ミレイ氏は公の場でメルコスルを厳しく批判し、離脱の可能性も示唆しており、フェルナンド・ハダジ財相はここ数カ月間、ミレイ氏はメルコスルを脅かしていると発言している。
 20日付メトロポレ・サイト(2)によると、メルコスルの定款では、離脱するにはアルゼンチンの議会で絶対多数を獲得する必要があると、Ibmec大学のピレス教授は説明する。「ミレイ氏には単独で条約を一方的に破棄する権限はない。しかし、現在のメルコスルの構造や方針に対して異議を唱えるメンバー国が増えることになる」と述べている。
 一方、EUはミレイ氏が大統領に就任する12月10日より前の12月7日にメルコスルとの協定を締結したいとの意向を示している。EUとメルコスルとの協定は20年以上にわたる交渉の末、ようやく具体化しつつある。EUは、交渉は「極めて建設的」であり、今年末までにプロセスを終了させる方針だと20日に発表した。
 メルコスルとEUの交渉担当者は来週ブラジリアで再び会合を開き、自由貿易協定締結に向けた話し合いを進める予定だ。


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