ガザ地区からの帰国希望者=新たに86人のリスト提出

【既報関連】外務省がイスラエルとエジプトに、ガザ地区からの帰国を希望するブラジル人とその親族らの新しいリストを提出したと21日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
新たなリストに記載された人は86人。ガザ地区に住むブラジル人とその親族で同地区を出ることを望んでいる人が対象となっている。
ガザ地区からの帰国希望者を救出する意向は、以前のブラジル人達32人がブラジリアに到着した時に明らかにされていたが、対象者の数はその後も増え、86人に達した。だが、その一方で、当初は帰国(脱出)を希望していたが、諦めた人も出ている。
1日から始まったエジプトとの国境越えは1回600人程度に限られている上に、現在もまだ、国境越えができずにいる外国人も相当数いるため、外務省が提出したリストに記載された86人がいつガザ地区を脱出できるかは誰にも予測できない。
当初はガザ地区を出たいと考えていたが、現在はガザに残ることを決めた家族の一例は、サンパウロ市に住む商人のハサン・ハベエ氏(レベエ氏と記載するメディアもあり)の親族だ。ハサン氏はガザを脱出する前からガザの様子や帰国希望者の様子などをSNSに投稿したりしていたため、帰国前から広く顔が知られていたが、ブラジリアに到着した時も、ルーラ大統領と挨拶を交わし、連邦政府の救出作戦への謝辞を述べたりしていたことなどで脅迫を受けるようになった。
ガザにいた時は爆撃などに悩まされ、命の危険にも直面してきたが、帰国したら帰国したで、脅迫が繰り返され、子供達を安心して学校に送ることさえできなくなったハサン氏は、自身や家族の身の安全を守るため、連邦政府に保護を要請した。
この状況はガザ地区に残った家族や親族も同様で、どちらにいても命の危険に直面するのならということでガザ地区に留まることにしたという。
イスラエル政府とハマスは一時的な休戦と人質の一部開放で合意に至ったとしているが、一時的な休戦期間が過ぎた後はガザ地区南部への爆撃が激化する可能性もある。これが、50人程度とされていた帰国第2弾のリストが86人に増えた理由の一つでもあり、第2弾が実現したとしても、同地区に残るブラジル人やその親族らの安全に関する懸念は払しょくされない状態が続くことになる。