ペトロブラス=探査等に投資31%増=総額1020億ドルに

ペトロブラス社は23日、2024〜28年の戦略的5カ年計画を発表し、投資総額は1020億ドルに達することを明らかにした。同社最高経営責任者(CEO)のジェアン・パウル・プラテス総裁とルーラ大統領との間で交渉中だった詳細が、同日の取締役会で承認されたもので、投資総額はボルソナロ前政権末期に承認された計画を31%上回る。23日付ポデール360など(1)(2)(3)が報じている。
投資額の内訳は、910億ドルが実施予定のプロジェクトに、110億ドルは契約・実行前に追加融資の調査を行う評価中のプロジェクトに充てられる。投資拡大要因としては、新規プロジェクト、潜在的な買収、コストインフレ、また、資産の売却計画が実現せず、再び企業の投資ポートフォリオに組み込まれたことが挙げられる。
投資の中心は石油および天然ガスの探査と生産活動で、5年間で、計画全体の72%にあたる730億ドルが充てられる。特に、岩塩層下のプレサル領域に67%が充てられる。この分野には新しいプラットフォームの導入、深海油田の採掘強化、成熟した油田での石油回収率を向上させるための補完的なプロジェクトなどが含まれる。
探査には75億ドルが充てられ、約50の井戸を掘削する予定。内訳は赤道海域での探査と南東盆地の探査に各31億ドル、他国のプロジェクトに13億ドルとなっている。
赤道海域の試掘の認可は、5月に国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)から拒否されたが、異議を申し立て、現在は環境省の判断を仰いでいる。
さらに、今後5年間で14基の新しいFPSO(生産、貯蔵、および生産された石油を軽量船に移す浮体ユニット)型プラットフォームを導入する計画があり、その内10基は既に契約済みだという。これにより、1日に320万バレル相当の石油およびガスを生産することが期待されている。
プラテス氏は声明で「投資総額は、資本規律を重視し、負債を抑制することを約束した上で増額した」とし、「石油生産の必要性を維持しつつ、エネルギー転換への投資を進め、将来にわたり価値を生み出すプロジェクトに注力する」と述べた。