IBGE=平均寿命延び75・5年に=コロナ禍で短命化から回復

地理統計院(IBGE)が11月29日、2022年の平均寿命(その年に生まれた人が生きるとみられる年数)は75・5年で、パンデミックの期間中に低下した数値が増加に転じたと発表したと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
ブラジルの平均寿命は2019年は76・2年まで延びていたが、新型コロナのためだけで19万725人が亡くなった2020年は74・8年、コロナ禍の死者が42万3349人に達した2021年は72・8年と、2年連続で平均寿命が短くなっていた。コロナ禍は死者数増だけでなく、妊娠・出産を先延ばしする人の増加や出生児数の減少も招いた。
新型コロナの予防接種がある程度普及し、コロナ禍での死者も7万4779人に減った22年は、パンデミック前の日常が戻り始めたこともあり、同年の国勢調査の結果を基に計算し直した平均寿命は再び延びた。
だが、コロナ禍が猛威を振るうことが予想されていない時期に2010年の国勢調査の結果を基に試算された平均寿命は20年が76・7年、21年が77年だったから、現在の値は20年の予想値以下で、2015年の75・4年とほぼ同水準だ。
平均寿命はその年に生まれた子供が平均で何年間生きられれるかを示すが、各年代毎の死亡率も加味して算出される特定の年齢の人があと何年生きられるかを示す平均余命は平均寿命から年齢を差し引いた数字とは異なる。22年の場合、平均寿命は75・5年だが、10歳児の平均余命は66・7年、20歳は57・1年、30歳なら48年と続く。平均寿命以上生きている人も多いため、70歳の平均余命は14・7年、80歳は8・8年、90歳は5・1年となっている。
平均寿命には男女差もあり、21年に生まれた男児の平均寿命は73・6年、22年は72年だった。女児の場合は21年80・5年、22年79年で、両者の差は6・9年から7年に広がった。22年の値は男児も女児も19年の73・1年と80・1年を下回っている。
一方、22年の新生児死亡率は出生1千人あたり12・84人で、19年の11・94人を上回った。男性は13・94人、女性は11・69人で、共に、19年の12・85人と10・98人より上昇している。