ルーラ側近下議=職員にピンハネ要求疑惑=ネットで大統領選に貢献=捜査要求や罷免の動きも

ジャノーネス氏は201 9年にミナス・ジェライス州選出下議になったに過ぎない無名の政治家だったが、ネット上でのボルソナロ大統領(当時)批判で有名になり、大統領選の世論調査で名前が挙がるほどの存在となった。ルーラ氏に説得され、出馬は取りやめたが、ネットでルーラ氏を支え、当選の一因にあげられた存在だ。
そのジャノーネス氏の元職員2人が、「給与の天引きを要求されていた」として検察に訴えを起こし、騒動となっている。ラシャジーニャはジャノーネス氏が前大統領長男のフラヴィオ上議のリオ州議時代の疑惑を揶揄するときに使っていた材料でもある。
訴えた元職員たちによると、ジャノーネス氏は2019年に下議に就任する直前に職員を集めた際、給与の一部の返還を求めたという。
その時のジャノーネス氏の説明によれば、同氏は2016年に生まれ故郷のミナス・ジェライス州イトゥイウターバ市長選に出馬した際、資金不足で、67万5千レアルの負債を負ってしまったという。ジャノーネス氏は、「私は2万5千レアルの給与の内1万5千レアル以上が負債で消えるのに、君たちが1万レアルをもらうのはフェアじゃない」と語り、キックバックを求めたという。
また、2020年の市長選で側近の誰かが出馬した際の費用としても20万レアルの金が必要だとして金が求められたという。
この時の音声はメトロポレスの報道で公開されたが、その録音でジャノーネス氏は「これは不正には当たらないことだと思う」などとも語っていた。
元職員によると、職員たちは金を、後にイトゥイウターバ市長となったレアンドラ・ゲデス氏に支払っていたという。元職員は「多い時には給与の6割程度を払っていた」と語っている。
ジャノーネス氏はこれに対して、「録音にもあるようにあくまでヴァキーニャ(募金)で、特定額を強制する計画的なものではない」としてラシャジーニャ疑惑を否定。レアンドラ氏も、「給与を集金していたなどという事実はない」と言い、関与を否定している。
だが、この後、この支払いに関し、職員2人が、「今回はレアンドラに4千レアル払った。それがアンドレ(ジャノーネス)に渡ることになる」との会話の録音も公開された。
これらの報道を受け、ボルソナロ前大統領の自由党(PL)はジャノーネス氏の下議罷免を求めている。また、下議たち46人が、連邦検察庁にジャノーネス氏に対しての捜査を求めている。それらの議員の中にはウニオンや社会民主党(PSD)、民主運動(MDB)など、連邦政府に閣僚を輩出している党の議員も含まれている。