在外投資ファンド=上院が課税法案を承認=利確時でなく定期徴収

上院は11月29日、専用投資ファンドとオフショア会社(投資ファンドを管理する在外企業)から得た利益への課税を変更する法案を承認した。主に超富裕層が対象となる課税法案だ。大統領裁可を待つのみとなった。同日付アジェンシア・ブラジル(1)、カルタ・カピタル(2)、CNNブラジル(3)(4)などが報じている。
同法案の報告官はアレッサンドロ・ヴィエイラ下議(民主運動・MDB)で、国内の最大富裕層が国外の租税回避地(タックス・ヘイヴン)などの「自国から離れた地域(オフショア)」に所有する企業や、特別ファンドに関する課税が決められた。
まず、オフショアに関しては、これまでは所有者が投資信託等を売却(利益確定)して個人口座に移す(レスガッテ)時のみ、所得税(IR)として15%の課税が行われていた。
だが、今後は利益確定時とは関係なく、15%の課税が行われることになる。
だが、今後はレスガッテに関係なく、15%の課税が行われることになる。連邦政府は当初、課税率を15~22・5%にしようとしていたが、法案承認は15%で行われた。
オフショアに関する税の徴収は毎年、12月31日に行われる。施行は2024年からだ。
特別ファンドも、これまでは利益確定の時のみ課税されていたが、来年からは他のファンド同様に毎年5月と11月の年2回行われる。課税率は、1年以上の長期ものの利子が15%、1年未満の短期ものでは20%となっている。
23年中に発生した利子に対する税金は、オフショア、特別ファンド共に分割払いが可能だ。今年11月までに累積していた税金を来年4月までに4回で払う場合の課税率は8%となる。来年5月以降に24回払いとする場合の課税率は15%となる。
現状では特別ファンドに対する税の支払いを行っている人2500人ほどで、ファンド産業全体の12・3%にしかなっていなかった。
ヴィエイラ報告官によると、この改正により、2024年だけで130億レアルの税収が見込まれるという。この法案は既に下院で承認を受けており、この後はルーラ大統領の裁可に回される。
同課税法案はフェルナンド・ハダジ財相の就任当初からの念願で、24年の基礎的収支赤字ゼロ化のために不可欠の増収法案の一つだ。当初は難航が予想されていた同法案承認の背景には、連邦政府が連邦貯蓄銀行の頭取をアルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)に近いカルロス・ヴィエイラ氏にするなど、中道勢力セントロンに便宜を図ったことが挙げられている。