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ルーラ=武器より飢餓気候対策を=COP28で先進国批判=脱化石燃料の遅れ強調

2023年12月2日

COP28の開会式で演説するルーラ大統領(© Ricardo Stuckert/PR)
COP28の開会式で演説するルーラ大統領(© Ricardo Stuckert/PR)

 ルーラ大統領が1日、アラブ首長国連邦の首都ドバイで開催中の国連の気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)の首脳級会議開会式で演説し、パリ協定での合意達成が困難で、気候変動の影響を強く受けている国への支援の約束も十分に果たせていない先進国が、武器を供出したりするために使っている資金は飢餓や気候変動に対して使われるべきと主張。化石燃料への依存度を低くする経済の必要性などについても述べたと同日付G1サイト(1)(2)(3)(4)(5)などが報じた。

 ルーラ政権は第1~2期から飢餓や気候変動といった問題に力を入れており、日頃から、パリ協定の1・5度目標順守が困難なことや、地球温暖化はパリ協定当時の予想より進んでいること、不平等解消が進まず、飢餓が深刻化していることなどに危機感を募らせている。
 そんな思いが表れたのが、気候変動関連の合意や約束も果たせないのに武器を支援したりしている先進国への批判で、戦争は停止させるべきで支援するべきではないとした上で、武器への支出は飢餓や気候変動対策に使うべきと発言。「空を飛び交い、女性や子供といった罪のない民間人に降り注ぐミサイルは何トンの炭素を放出していることか」と語り、戦争が飢餓や気候変動を加速化していることも批判した。
 「世界は収入、性別、人種における容認できない格差を自然化させているが、不平等と闘うことなく気候変動に立ち向かうことは不可能」とも述べた。
 また、戦争で利益を得ている常任理事国の一部が反対するために停戦決議ができない国連安保理のあり方を批判。「為政者は責任を逃れ得ない。一国のみでの問題解決は不可能で、国境を越えて協力、行動する義務がある。ブラジルは模範を示すことに前向きだ。我々が調整した目標は多くの先進国より野心的だ」と力説した。
 また、歴史的旱魃で困窮しているアマゾナス州や頻発するサイクロンなどの風水害に悩む南部諸州を実例とし、科学や現実は気候変動のツケを払うべき時が前倒しされていることを示していると語った。世界的な熱波やエルニーニョ現象にも触れ、「環境を破壊した世代とツケを払わされる世代は別だが、地球は次世代まで清算を待てない」との言葉で、温室効果ガス排出削減目標や合意の無視、口先だけの約束を批判。「具体的な態度と行動が必要だが、地球を救うことに賭けている世界的リーダーは何人いる?」とも語りかけた。
 ルーラ氏は脱炭素化の遅れにも触れ、脱炭素化や化石燃料に依存する経済からの転換について協議し、働く時だとも強調。アントニオ・グテレス国連事務総長も同件に触れ、地球温暖化の抑制には化石燃料の使用停止が必要だと力説した。


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