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「OPECプラス」参加をブラジル政府に正式要請=2024年からの加盟か

2023年12月2日

(イメージ、©engin akyurt/unsplash)
(イメージ、©engin akyurt/unsplash)

 産油国トップ10入りを果たしたブラジルに対し、石油輸出国機構(OPEC)は準加盟国としての招待状を出し、拡大組織「OPECプラス」への参加を要請した。ブラジル政府は加入について最終的な決定は下していないが、検討中であることを確認している。11月30日付UOLサイトなど(1)(2)(3)が報じている。
 この招待はルーラ大統領がサウジアラビアの首都リヤドを訪問中の11月29日に行われており、アレシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相が同日、正式に書簡を受け取った。ブラジル政府は、これはまだ最終決定ではないと説明したが、同大臣は組織への「協力」に意欲を示し、2024年1月からの加盟が可能になることを示唆した。
 OPECプラスは、ベネズエラを含む世界主要石油輸出国である13の正加盟国と、ロシアやメキシコなど10の非加盟国で構成される。ブラジルへの招待は後者へのもので、議決権はないが、議論には参加できる。
 ブラジルでの石油生産は過去数年間、安定的に増加しており、今年の第3四半期には日産230万バレルに達した。OPECはこの南米最大の産油国を組織に組み込みたい意向だ。
 サウジアラビアはボルソナロ前政権時代も、ブラジルにOPECプラスへの参加を促している。同国のムハンマド・ビン・サルマーン王子は、OPECの理念は世界の供給をコントロールしたり、カルテルを形成したりすることではなく、「供給の管理や供給の安定、生産国での富の破壊を防ぐ」ことだと主張している。OPECはこれを、石油需要を制御しようとして1973年と79年の2度のオイルショックを引き起こした「過去の出来事から学んだ」という。
 ブラジルのOPECプラスへの参加に向けたアラブ諸国の取り組みは、サウジアラビアが2024年からBRICSに加わるように招待された出来事と重なる。この提案は中国から発せられたもので、サウジアラビアが長く続く米国との同盟関係から抜け出す重要な転換を示すものと見られている。
 外交筋によると、他の新興国がOPECに参加することは世界の地政学の再定義に役立つという。ブラジル政府内では、特にプレサル(岩塩層下の油田)を考慮し、石油輸出国としての役割をますます担っていくという明確な認識がある。
 一方、政府内では加入に異論もある。一部ではこれが「反西洋的」な行動となり、欧州との戦略的同盟や米国政府との対話相手としてのブラジルの立場を危うくする可能性があると懸念している。また、ブラジルは現在、フランスに本部を置く国際エネルギー機関と良好な協力関係を築いており、両方のサイドにいることは妥当でないとの意見もある。地政学的な問題に加え、OPECの目標に従って石油輸出を制限することが、ブラジルにとって経済的に有益であるかについても疑問が残っている。


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