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アラゴアス州都=岩塩採掘場の一部崩落=予想以下の規模も要観察

2023年12月12日

18番採掘場で崩落が起きたことを示す水面の変化(©Prfeito Maceio JHC/X)
18番採掘場で崩落が起きたことを示す水面の変化(©Prfeito Maceio JHC/X)

 【既報関連】いつ起きても不思議がないとされていた、アラゴアス州都マセイオーでのブラスケン社による岩塩採掘場崩落が10日に起きたが、最悪の場合、マラカナン・スタジアム並みの大陥没が発生との予想を下回る規模で終わったと10日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
 崩落発生は10日13時15分頃で、ムンダウ湖では体感地震(揺れ)の後、崩落発生を示す水面の変化(渦)が生じて、11月29日の上空写真では湖上に見えていた堰も見えなくなった。

採掘場崩落現場の11月の時点の上空写真(Ailton Cruz)
採掘場崩落現場の11月の時点の上空写真(Ailton Cruz)

 同市では11月だけで5回の地震が起き、最悪の事態が起きた場合は大陥没で人的・物的被害が起こり得る5地区の住民避難も進められていた。11月末から観測された地盤沈下は2メートルを超えたが、沈下速度は一時ほどではなくなっていた中で起きた崩壊は、18番採掘場のみで終わり、その他の採掘場を巻き込む最悪のシナリオは避けられたようだ。
 10日付フォーリャ紙サイトなど(5)(6)(7)によると、マセイオー市長は10日夜、安心するよう市民に呼び掛けており、最初に採掘場崩落の危険性を指摘したとされる技師も「悲劇のシナリオ終結」と述べた。鉱山動力省や市防災局は他の採掘場の崩落が続く可能性を否定しているが、楽観視できないと指摘している専門家もいる。
 また、湖底の岩塩採掘場崩落でできた割れ目から大量に湖水が流れ込んだことで生じる水質変化やその影響が懸念される上、本当の意味の地盤安定化には地下の坑道を埋める作業も必要なため、継続した調査や対策も不可欠だ。

18番採掘場崩落後の上空写真(Defesa Civil)
18番採掘場崩落後の上空写真(Defesa Civil)

 また、8日付エスタード紙サイト(8)によると、アラゴアス州選出のレナン・カリェイロス上議(民主運動)が取りまとめた要請書に従うブラスケン議会調査委員会(CPI)の初回会合は12日に開かれ、委員長や報告官などが選ばれる。同CPIでは、ブラスケン社の責任問題や同社と市役所の間で結ばれたという合意の内容なども取り扱われる見込みだ。


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