年末の議会審議大詰めに=政府最優先事項が山積み

23日からの休暇入りを前に議会審議が大詰めを迎えている。特に優先される議題は来年度予算やそれに関連する法案だが、連邦議会では最高裁判事に指名されたフラヴィオ・ジノ法相らの口頭試問などの重要案件もあり、佳境に入った。
上院は、ジノ氏らの口頭試問と指名承認の他、ベネズエラとガイアナの間の領土問題で懸念材料の一つとなった外国駐在の伯国大使指名者の口頭試問の必要性も問われている。
だが、この時期の最優先課題は、複数年の予算編成ガイドラインである連邦予算基本法案(PLDO)と来年度の予算法案(PLOA)だ。前者4月、後者8月に議会に提出されたが、その他の法案審議などで、PLDOは特に、平年とは異なる日程で審議されている。
今年のPLDOやPLOAなどの審議の特徴は、財政均衡法承認時に確認された2024年の基礎的財政収支の赤字ゼロ化を巡る駆け引きなど、越えるべき山が多いことだ。基礎的財政収支の赤字ゼロ化はPLDOとPLOAの双方に関わるもので、ルーラ大統領が「少しなら赤字になっても良いのでは」と発言して以来、ハダジ財相の言動は注目の的だ。
9日付G1サイト(1)によると、労働者党(PT)の一部は今も赤字ゼロ化を緩めることを諦めていないようだが、ハダジ氏は一貫し、財政・税制改革と赤字ゼロ化、そのための1680億レアル増収を目指している。
この姿勢の表れの一つは7日のハダジ氏の「全てが優先事項」発言だ。国外での投資への課税を扱うオフショア法案や特別ファンド法案などは裁可待ちだが、国際注文への課税、商品流通サービス税を介して州によって付与される資金への税制上の優遇措置変更、上場企業による株主への利益配当方法の変更、スポーツの試合での電子賭博市場への課税などの法案の審議、承認はこれからだ。財相は予算案承認前に来年度の税収額を知るために、増収向け法案の早期承認を上院議長らに迫っている。
予算案審議前にはPLDOの承認も不可欠だが、同法案報告官のダニロ・フォルテ下議が11日、全国産業職業訓練機関(SENAI)や社会商業サービス(SESC)などのSシステムへの資金を予算に含めるなどの変更を行い、連邦政府が投資にと考えていた400億レアルを当てにできなくなるという事態が発生。議会の政府リーダーや与党リーダーらが急遽集まり、報告官の意見書を修正するため、12日に予定されていた両院合同予算員会でのPLDO審議の先延ばしの要請を決めた。
11日夜現在の見通しでは、Sシステムに関する修正後のPLDOに関する意見書の合同予算員会での審議は週末、本会議での投票は来週になる見込みだ。PLDOは通常、7月18日からの休暇前に承認されるが、今年は財政均衡法の承認を待って審議することになり、承認が遅れている。
11日は上院が修正した後の税制改革法案に関しても、下院報告官のアギナルド・リベイロ下議が上院が創設した拡張基礎食料品セットを憲法改正案から削除するべきと財務省前で発言。7月に下院が承認した基礎食料品セットに対する非課税と最も脆弱な立場の人へのセット外商品へのキャッシュバックを擁護し、原案通りの再承認も求めた。税制改革も政府の優先課題の一つで、地方とのすり合わせも含めた動向が注目されている。