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上院サバチーナ=13日に2人合同で開催へ=反発多いジノは接戦か=ゴネは余裕で承認とも

2023年12月13日

ルーラ大統領とジノ氏(右)とゴネ氏(左)(X)
ルーラ大統領とジノ氏(右)とゴネ氏(左)(X)

 最高裁判事、連邦検察庁長官に指名されたフラヴィオ・ジノ氏とパウロ・ゴネ氏が、13日に上院憲政委員会(CCJ)で承認のための口頭試問(サバチーナ)を受けるが、今回は過去に前例のない、2人同時の試問となる見込みだ。これに対して、上議たちからは不満の声が上がっている。その背景にはジノ氏指名に反対する声が強く、接戦が予想されていることがある。12日付フォーリャ紙(1)やCNNブラジル(2)などが報じている。
 2人同時の試問はCCJのダヴィ・アルコルンブレ委員長が決めたものだ。上院のサバチーナでは過去にも同様のやり方で行われた例はある。だが、最高裁判事と検察庁長官という、サバチーナが扱う中でも最上級クラスの役職で、かつ、異なる役職への指名を受けた人物に対して同時に試問を行った例は過去にない。
 この方式は承認をスムーズに進めるためのもので、上議からの質疑応答の時間節約などの目的で行われるのが普通だ。
 このやり方をめぐっては、12日に強い反対が起こっている。アレッシャンドレ・ヴィエイラ上議(民主運動・MDB)は、「質問の時間が制限されることによって、承認するか否かを決めるための審議に十分な時間を割けないのは違憲ではないか」と異議を唱え、同時開催の中止を求めている。
 今回のサバチーナで特に注目されてているのはジノ氏だ。それはルーラ政権で法相を務めている同氏の指名に対し、野党勢力が強い反発を示しているためだ。その理由は、1月8日の三権中枢施設襲撃事件に関し、ジノ氏が法相としてボルソナロ派の襲撃者たちを厳しく糾弾したことをボルソナロ派が快く思っていないためだ。それに加えて、福音派の議員たちは、かつてブラジル共産党(PCdoB)に籍を置いていたことに強い反発を抱いており、ネット上などで反対の声をあげていた。
 10日はブラジリアやサンパウロ市で、反対派の政治家らの呼びかけで、ジノ氏の最高裁判事就任に対する抗議活動も行われている。
 最高裁判事に指名された候補者は、過去133年間の歴史において5人しか却下されていない。その5人の却下はすべて、1894年のフロリアーノ・ペイショット大統領時代に起こったもので、それを除けば拒否されたことはない。そうしたことから、ジノ氏の指名も、反対の声は多いものの、却下されるほどには至らないだろうとの見方が強かった。
 だが8日にUOLサイト(3)が上議に行った調査では、ジノ氏に「投票する」と答えた上議が21人だったのに対し、「拒否する」と答えた上議が23人と反対が上回っていた。これは中道勢力「セントロン」の議員が意思表示を行っていないために起こったものだった。
 連邦議会政府リーダーのランドルフ・ロドリゲス上議は12日に、ジノ氏は最高で52票、悪くとも48票の賛成票を得られるとの見解を明らかにしている。
 他方、ゴネ氏に関しては、「大差をつけての余裕の承認になるだろう」とみられているという。
 12日付グローボ紙(4)によると、直前のキャンペーンでは、ジノ氏は上院最大勢力でセントロンの社会民主党(PSD)、ゴネ氏はラヴァ・ジャット作戦を支持した立場上、反対派が少なくなかった労働者党(PT)の上議2票を獲得するために働きかけていたという。
 12日付G1サイト(5)によると、ルーラ政権の閣僚4人(ウエリントン・ジアス社会開発相、カミロ・サンタナ教育相、レナン・フィーリョ運輸相、カルロス・ファヴァロ農務相)は13日、大臣職を休職して上議に戻り、ジノ氏承認のための投票に参加することになっている。


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