COP28=化石燃料問題繰り越し=25年はアマゾンで開催

ドバイで開催されていた国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)は会期を1日延長した13日、化石燃料からの脱却などを進めるとする文書採択で閉幕した。
2025年のCOP30開催国のブラジルは今会議に、大統領や閣僚、連邦議員、企業家などからなる世界最大規模の代表団を送り、開会式での演説その他で、化石燃料への依存度を減らすことなどを含む気候変動対策採用を訴えていた。
ブラジルが今会議で得た成果の一つは、2025年のCOP30のブラジル開催が11日の本会議で全会一致で承認されたことだ(11日付アジェンシア・ブラジル(1)参照)。ブラジルは今年5月の段階で変動会議開催国選出のための要件を満たしていた。ブラジルでの会議は、25年11月10~21日にパラー州ベレン市で開催される。
マリーナ・シルヴァ環境相は本会議後、開催地に推薦してくれたラ米、カリブ海諸国に感謝の意を表し、「地球温暖化を阻止するために不可欠な生物群系であるアマゾンでCOP30を開催するという決定をお知らせできることに満足している」と述べた。
他方、同相が懸念を示した点は、11日付G1サイトなど(2)(3)(4)(5)(6)にあるように、同日朝、公表された最終文書草案で化石燃料の斬新的廃止に関する言及が削除されたことだ。マリーナ氏はこの変更を受け、今会議の成功は化石燃料の将来が最終文書に含まれるかにかかっていると強調。再生可能エネルギーを加速させる手段と公正な方法で化石燃料のアクセルから足を外す手段を明らかにするために、この問題に関する明確な文言を盛り込むことの必要を説いた。
草案は化石燃料の「廃止」を再生可能エネルギーへの「置き換え」に書き換えており、マリーナ氏は、先進国と発展途上国が化石燃料を廃止するためにとるべき行動を明確にするという意味で、「不十分」とした。
ブラジル代表団は、最終文書は地球温暖化を産業革命以前の水準比で1・5度に抑えるという目標と両立すべきと主張している。また、先進国は石油や石炭、ガスへの経済依存削減努力と共に、発展途上国、特に最も脆弱な国がこの移行を実現するための支援と実施手段を提供すべきとも訴えている。
マリーナ氏は化石燃料問題が直接取り上げられたのは1992年の初回会議以降、初めてと強調。全てのテーマを2030年に繋ぎ、自分達が望むレベルの結果に到達するには、ドバイでの内面化が不可欠とも説いた。
だが、12日付アジェンシア・ブラジル(7)によると、化石燃料問題は見解がまとまらず、13日に採択された成果文書は同氏らが望むレベルには達しなかった(13日付G1サイトなど(8)(9)参照)。
13日付G1サイト(10)によると、マリーナ氏はそれでも、化石燃料の使用廃止への道を検討できたことやエネルギー転換に触れたことを認め、不十分だが十分な進歩があったと評価した。グリーンピース・ブラジルの国際政策専門家カミーラ・ジヤルジン氏は、今会議の本当の成果は従来の会議でなし得なかった化石燃料を議題の中心に据えたことと評価している。
COP30はパリ協定に従って掲げた目標の見直しなども行われる重要な会議となるため、ブラジルはなおのこと、積極的に働きかけている。