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サンパウロ市市長選=ボウロスの副にマルタ=ルーラは「不可欠」と熱望も=気になる現市長との関係

2023年12月20日

マルタ氏(X)
マルタ氏(X)

 サンパウロ市市長選で元市長のマルタ・スプリシー氏(民主運動・MDB)を副市長に迎えることを巡り、ギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)と現職のリカルド・ヌーネス市長が争奪戦の様相を見せている。ボウロス氏を支持するルーラ大統領(労働者党・PT)はマルタ氏を熱望しているが、実現は容易ではない。18日付メトロポレス(1)(4)などが報じている。
 ルーラ氏は16日にサンパウロ市で行われたミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダのイベントにボウロス氏を招き、ヌーネス市長とタルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事の批判を行うなど、早々と市長選のキャンペーンを始めたようだとも評された。
 そのルーラ氏がこだわっているのが、マルタ氏をボウロス氏の副候補にすることだ。フォーリャ紙の報道によると、ルーラ氏は既に、ルイス・マリーニョ労働相やジルマール・タット下議といったPTの要人らにその旨を伝え、マルタ氏の存在がボウロス氏の勝利に不可欠だと語ったともいう。
 ルーラ氏がマルタ氏を評価する最大の理由はその運営能力だ。マルタ氏はPT在籍中の2001〜2004年にサンパウロ市市長を務め、その間に交通機関に利用するビリェッテ・ウニコや教育統合センター(CEUs)など、現在も同市で続いている政策を生み出した人物として知られている。ボウロス氏は世論調査の人気では1位であるものの、過去に自治体などを運営した経験がない。その弱点を補うためにマルタ氏を必要と考えているという。
 だが、その道のりは決して容易ではない。一つはマルタ氏が、現在のヌーネス市長の市政に国際関係局長として参加しているだけでなく、今年8月にはヌーネス氏の副市長候補として名前が浮上していたためだ。このアイデアは、ヌーネス氏とシャッパ(連立名簿)を組もうとした自由党(PL)のヴァルデマール・コスタ党首のアイデアだったが、ボルソナロ前大統領がマルタ氏がPT出身であることを理由に、強く反対したという。
 13日付ヴェージャ誌(2)の報道によれば、ヌーネス市長はルーラ氏がマルタ氏をボウロス氏の副候補にと熱望する報道に対し、裏切られたとばかりに強い憤りの表情を見せていたという。
 また、マルタ氏がボウロス氏の副候補になる場合、マルタ氏のPT復党が予想されているが、これも簡単には行かなそうだという。
 フォーリャ紙(3)によると、PT在籍時にサンパウロ市市長(1989〜92年)を務め、2020年にはボウロス氏の副候補を務めたルイーザ・エルンジーナ下議は、マルタ氏の副候補を反対している。それは、マルタ氏が上議だった2016年に、かつてPTの同僚だったジウマ氏の大統領罷免に賛成票を投じていたためだ。
 また、PT陣営には、マルタ氏がヌーネス氏の市政の役職者であることを気にする声も少なくないという。それは「再選を狙う市長の側にいる人物が対抗候補に寝返ることの不自然さ」や、 ヌーネス市政の中にはボルソナロ前大統領支持者も少なくないことへの反発だという。


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