盗難携帯電話を無効化=政府が対策アプリ発表

携帯電話の盗難やその中の情報を悪用した犯罪が増える中、連邦政府が19日、盗難後の携帯電話を使えなくして価値を失くすことで犯罪発生自体を減らすアプリケーション「Celular Seguro(安全なセルラー)」を導入したと18日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
このアプリを利用すると、携帯電話が盗まれた時も、電話回線をブロックし、機体を使用不能とするだけでなく、銀行その他の機関にも通達が届くため、各機関が提供しているアプリや機体に保存されている情報も使えなくなるという。
法務省副大臣のリカルド・カペリ氏によると、新しいプラットフォームは、法務省がブラジル銀行連盟(Febraban)や国家電気通信局(Anatel)と協力して設計したもので、Google PlayかApp Storeで入手できる。
利用者はダウンロード後、納税者番号と暗証を使ってgov.brにアクセスし、自分の携帯電話のデータと共に、信頼できる人物の名前、電話番号などのデータを事前登録しておく必要がある。必要な情報を登録し終えた人は、携帯電話を盗まれた時も、コンピューターや信頼できる人として登録した人の携帯電話からgov.brのアカウントにアクセスし、被害内容を登録するだけで、電話のオペレーター、その他のアプリケーションに同時に警告が送られる。
封鎖手続きは信頼できる人物として登録された人も代行できるため、なるべく早く封鎖することで携帯電話や情報の悪用や被害の程度を抑えられる。カペリ氏は、盗難後にこのプラットフォームで封鎖された携帯電話は「何の役にも立たない金属片」と化すと強調している。
携帯電話はメールのやり取りや検索、アプリのタクシーの呼び出しなど、様々な使われ方をしているが、中央銀行が24時間対応可能な即時決済システムのPIXを導入してからは特に、携帯電話を財布代わりに持ち歩く人が増え、重要性がいや増した。
だが、携帯電話に保存されている情報や重要性が増すほど増えているのが携帯電話を盗んで情報やアプリを悪用する事件だ。サンパウロ市などではPIXの導入後、PIXを使って犯罪者や共犯者の口座に入金させるまたは入金するための盗難や誘拐が急増し、被害額や被害が及ぶ範囲が拡大していた。
治安フォーラムのデータによると、2022年は携帯電話の盗難被害が約100万件起きている。ただし、8月9日付オ・グローボ(5)にもあるように、盗難携帯電話をIMEIブロックシステムがないアフリカ諸国に密輸して転売する可能性も疑われており、これが根本的解決になるのかを疑問視する声も残っている。