中銀=経済活動指数が再び低下=インフレの上限突破否定

中銀が20日、10月の経済活動指数(IBC‐Br)は146・17ポイントで、146・26ポイントだった9月を0・06%下回ったと発表したと同日付スノ・サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
IBC‐Brは工業、商業、サービス業、農業に税収を加えて算出され、経済基本金利(Selic)を調整する際の資料となる。また、地理統計院(IBGE)が計測する国内総生産(GDP)の先行指数でもある。
10月の指数は昨年同月比では1・54%増だが、前月比の場合は、8月と9月に次ぐ、3度目の低下となる。8月は前月比で0・71%(修正済み、発表当時は0・77%)減で、9月は前月比で0・05%(修正済み、発表時は0・06%)減だった。
第3四半期の指数は昨年同期比で0・88%増だったが、前四半期比では0・42%減だったため、11~12月の結果次第で景気後退(リセッション)が起こり得る。景気後退の可能性は10月20日付エスタード紙(4)も指摘しており、今後の動きが注目される。
なお、今年の累計は前年同期比で2・36%増、直近12カ月間の累計は2・19%増となっている。
他方、中銀は21日、今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は4・6%増で終わる見込みで、目標上限の4・75%を超える可能性は17%という報告書も発表した(21日付アジェンシア・ブラジル(5)参照)。前回発表時のIPCA予測値は5%で、上限を超える可能性は67%とされていた。
また、21日付インフォ・マネー・サイト(6)によると、カンポス・ネット中銀総裁は21日、連邦政府の財政状況が悪化した場合、通貨政策も影響を受けるかと訊かれ、連邦政府は経済改革を推進中で、財政状況が少々悪化しても、取り返しがつかないほど崩れることはないとの見解を表明。24年の基礎的財政収支の赤字ゼロ化についても、税収増次第のため実現困難との見方があるが、政府はこの目標の実現を目指すべきとした。
また、財政状態悪化が自動的に通貨政策の変更を招くことはないとし、今後2回の通貨政策委員会(Copom)では経済基本金利(Selic)を0・5%ポイント引き下げる意向を表明した。これは、19日に発表されたCopom議事録の内容とも一致している。
19日付アジェンシア・ブラジル(7)によると、議事録では、公的会計がバランスを保ち、その結果としてのインフレ率低下が生じるためには連邦政府による財政政策順守が必要と強調。また、現在のSelicは、経済を刺激も抑制もせず、完全雇用と目標以内のインフレ、経済活動の水準を維持できる実質金利を意味する「中立金利」を上回っており、加熱した需要とインフレを抑制することを望んでいるとも記されている。