セアラー州=塩分除去工場に建設許可出る=インターネット切断懸念残し

連邦資産管理運営局(SPU)が20日、セアラー州フォルタレーザのフトゥーロ海岸での淡水化プラント(塩分除去工場)の建設を許可したと同日付G1サイト(1)が報じた。
海水から塩分を除去する工場の建設はかねてから、ブラジルにインターネットを供給している海底の光ファイバーケーブルを破断する可能性が指摘され、電話事業者や国家電気通信庁(Anatel)の間で懸念が広がっていた。
Anatelは光ファイバー破断により、広範囲でインターネットが使えなくなる可能性があるとして、工場の建設許可を出さないよう勧告していたが、これに反し、SPUが建設許可を出した。
淡水化プロジェクトは、乾季を中心に飲用水を確保するためのもので、同プロジェクトを担当するセアラー州上下水道公社(Cagece)は「このプラントがフトゥーロ海岸にある海底ケーブルの運用に影響を及ぼすことはない」としている。
だが、塩分除去工場の施設は海底まで伸びているため、電話事業者らの懸念は消えていない。
フトゥーロ海岸は欧州との距離が最も短いため、欧州大陸からの光ファイバーケーブルが最初に届いた。光ファイバーケーブルはフォルタレーザ市からリオ州やサンパウロ州に繋がっており、国内のインターネット網の99%に影響を及ぼす。また、他のラ米地区にも同市を起点とする光ファイバー網が張られている。
言い換えると、セアラー州で光ファイバーケーブルが切れれば、国内はもちろん、南米の多くの地域のインターネット網が影響を受けることになる。
SPUは、工場の取水施設は海底ケーブルからは40メートル離れたところに建設されるため、安全としているが、Anatelは567メートル離れた場所に建設する許可を出すよう求めていた。
Anatelによると、567メートルの距離を置くことは、国際ケーブル保護委員会(ICPC)が勧告している11項目の一つに過ぎないという。同庁は2022年9月に今回のプロジェクトには反対であることを表明していたが、その後の計画変更については2023年8月になって通達を受けたという。